早稲田美研60−70第9回展 出展作(3) そして千秋楽。

今回展の出展者は17名。まあまあである。出展作の記録、残っているのはあと3人。常連の出展者の中では年長の3人となる。

久保寺洋子100号の油彩「輪違屋」。左右はちりめん細工。

ちりめん細工、着物・アサガオ・折りづる。
毎回ちりめん細工を見ている。「これ、毎回新しいものなんだよな」、と久保寺に訊いた。「そうよ、毎回新しいものよ」、と帰ってきた。

幼児の着物。美しい。

久木亮一「フー」。オブジェ。
フー、楓。久木、新宿御苑で拾ってきたそうだ。

搬入日の翌日、オープニングの日には、久木、さまざまな木の実を持ってきて下に置いた。
こちらは多摩森林科学園のものだという。ご希望の方は、どうぞお持ちください、とも。

ロス在住の関根、「フーの木はアメリカにいっぱいある」、と言う。
そうらしい。久木、こう言う。
「「フーには二つの原産国があり、これは台湾や中国原産のフーであり、もうひとつはアメリカ原産のものがある」、と。
そのようなことはどうでもよく、フーの実、美しい。

奥烈「空有 Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ」。アクリル。
早稲田美研60−70展、第9回となる。奥は皆勤で毎回出展している。
が、毎回、ギリギリになっての一夜づけであった。しかし、今回は違った。気合を入れていた。
春先、何となく身体の具合がヘンだな、と感じた時から、これが最後の出展になる、との思いで描いていた。

「空有 Ⅱ、Ⅲ」。
早見堯は、「サルトル、存在と無ですか」なんて言っていたがそんなものじゃない。解らないんだ、他人には。
が、面白い、と言ってくれる人が3人だけいた。

ひとりは、「ジジのこのくちびるのえ、おもしろいね」、と言ってくれた孫娘。そして、「これ、面白いね」、と言ってくれた犬飼三千子。あとひとりは、直接には聞いていないがそう言っていたという杉浦京子さんの知り合いの心理療法関係の女性。
この3人だけが、認めてくれた。それで十分である。

今日、最終日、千秋楽である。
皆さん、徐々に集まってくる。

4時半すぎ、かたずけが始まる。
関根もアメリカへ持ち帰るべくダンボールに詰める。

小澤も1枚を外した。

今日来れない後藤の作品を、高橋が丁寧に包んでいる。

久保寺はちりめん細工をしまった。久木はフーの実を片づけている。

石田、ここからはがすんだ。

小澤、最後の1枚をはがす。

山岸も。

石田、ここまできた。
あと、少し。

山宣、またこのダンボールに詰めた。

あちこち日本見物をしている山宣のダンボール。

はずした小澤の木版画を前に、久木が据わりこみ話す。
いずれにしろ、早稲田美研60−70第9回展はお終いである。

近場の飲み放題幾らの店で打上げ。
一週間、私は疲れた。打上げ途中で失礼した。
次回展は1年半後、2019年2月。
それまで果たしてオレはとの思いもあるが、何とかとの思いを引きだす。