流山子雑録     『酔睡胡乱』

早稲田美研60-70 第10回展。


20年ほど前、学生時代からの仲間4、5人が時折り集まっては飲んでいた。
ある時、「俺たち、学生時代は美研に入っていたのだから、ただ飲んでいるばかりじゃ能がない、展覧会でもしようじゃないか」、となった。で、2001年、「早稲田美研60-70」の第1回展が青山の始弘画廊で催された。仲間内で絵筆一本で食ってきた唯一の男・島谷晃の手配であった。その島谷も幽明境を異として久しくなる。
第2回以降は美術評論家・早見堯(本名・吉岡和夫)の手配で、神田駿河台下の文房堂ギャラリーで催されている。第1回展から3年後であったが、その後2年後となり、さらに1年半と間隔をつめてきた。3、4年に一人、ポツリポツリと仲間が旅立っていくからである。
ところで、「早稲田美研60-70」の「60-70」にはこだわりがある。
早稲田大学の美術研究会、通称「美研」というサークルに1960年から70年の間に在籍していた連中である。今、80代の人が多くなった私たちの先輩のグループもある。後輩たちの集まりもあるようだ。が、私たちのグループはあくまでも60-70。5、60年前のサークル仲間。私も含め後期高齢者とその予備軍で構成されている。
その第10回展が昨日から催されている。
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駿河台下、すずらん通りの文房堂ギャラリー。
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昨日4時前後、オープニングパーティーが始まった。
今回の幹事の一人である久木、「来ている人が少し少ないな」、と言う。
たしかにそうだ。
いつも何だかんだ来ている久保寺の二科関係の人がいない。石田が入院中なので、あの酔っぱらいの名物おばさんやその他の人たちもいない。杉浦夫婦のお孫さんもいない。杉浦京子さんに訊くと、もう大きくなって自分の世界に行っているそうだ。
だんだんそうなっていくんだ。
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杉浦がいる山岸がいる。植松、後藤、犬飼、瀬尾の顔が見える。
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机の上、ケータリングで取ったものなどが並ぶ。
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左から植松、後藤、吉岡、山宣の弟。
山宣の弟に久しぶりで会った。第何回展であったか忘れたが、私たちのこの展覧会に銀座のクラブのママを連れてきた男である。山宣の弟とその話をした。その銀座のクラブのママ、先年死んだそうだ。偲ぶ会を行なった、と言う。70とのことであった。「早稲田美研60-70」展に彩を与えてくれたひと時であった。
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高齢者ばかりだな。
若い連中はひとりもいない。
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右手は急逝した伊藤の遺作。
伊藤の遺作については、改めて述べる。
向こうにいるのは鬼原。
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左から吉岡、高橋、小澤、鬼原の4人。
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久木と山宣。
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仲間の杉浦京子とそのお友達である奈良さん。
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左から犬飼、後藤、そして山宣の後頭部。
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榊原も今回展の幹事のひとりなんだが、もっぱら飲んでいる。
左は杉浦京子と鬼原。
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左から関根(アメリカから飛んできた)、久木、高橋、小澤。
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久保寺とその友。
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山宣、あちこちに出てくる。何でもかんでも出るのが好きな男なんだ。
山宣と奈良さん。
山宣、奈良さんからもらった津軽のリンゴジャムを握っている。
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奈良さんと奥。
テーブルの上に津軽のリンゴジャムがある。
奈良さん、今回の美研60-70展出品者の全員に津軽のリンゴジャムをプレゼントしてくれた。
嫋やかな女性である奈良さん、ジャムのビンを20個も、文房堂まで持ってくるのは大変だったろうと思うことしきり。
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こちらから。
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さらに引いてこちらから。
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このお二人は誰の知り合いだったかキャラが立っていた。特に男性。
蝶ネクタイにパッチワークをほどこしたような帽子。
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皆が飲んでワイワイと騒いでいる間、バックヤードではこのような光景があった。
幹事として今回展を引っぱってきた高橋が、ゴミを分別していた。燃えるゴミと燃えないゴミ、ビールの缶など、と。
何と言えばいいのか。「高橋、やりすぎだよ」、と思うのであるが。ホント。
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オープニングパーティーが始まって2時間以上が過ぎた。
高橋、クロージングの準備に入っている。