流山子雑録     『酔睡胡乱』

早稲田美研60-70 第10回展(続き×3)。


早稲田美研60-70の今回展、キリがいいというか何というか第10回展。さまざまな意味でひとつの区切り。
オープニングの翌日、今回の幹事のチーフである久木からこういうメールが来ていた。久木の言わんとすることを摘まんでコピペする。


久木からのメールをコピペしようと思っていたが、できなかった。以前はできたのだが。いったい「はてな」、どういうことをしてくれたんだ、と思うことしきり。


早稲田の美研に1960年から70年の10年間に属した私たちも、多かれ少なかれクロージングのことを考えている。そういうことが背景にあり、久木はこういうことを言ってきたのであろう。
実は私もそう考えていた。今回展はひとつの区切りだな、と。
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神田駿河台下すずらん通り、文房堂。
早稲田美研60-70の展覧会は昨日で終わったのであるが、久木の求めもあり、参加者20人のすべての作品を記録していく。何日かかかるが。
昨日の続き。
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久保寺洋子の作品。おなじみだ。
≪輪違屋≫とちりめん細工など。
先般、浅田次郎原作の映画『輪違屋』が封切られた。久保寺にそう言ったらニコタマの映画館に観に行ったという。京都島原の置き屋の話ではあるんだが、新選組の話。武士の出の芹沢鴨と百姓の出で侍になりたかった近藤勇や土方歳三などのバトル。
久保寺、ライフワークともいえる「輪違屋」の絵画制作の参考にはあまりならなかったようだ。
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おなじみ「輪違い」の紋章。
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今回のちりめん細工、やや小規模。
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手毬、美しい。
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ドライフラワーも作品にしてしまう。
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久保寺作品の横には、こういう作品。
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久木亮一≪根≫。
根っ子のオブジェ。
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近寄っても根っ子は根っ子。
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搬入日には上の根っ子だけであったが、翌日、オープニングの日に行ったら下にとげの生えた根っ子が置かれていた。電車で持ってくるのは大変だったろう。
が、これが完成形のようだ。
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根っ子とはずいぶん趣きが異なるな、瀬尾典子の作品。
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≪人形≫。
昔、画檀の巨匠と言われる人が、このような人形を描いていたような気がする。
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≪サントリーニ島≫。
日の光に溢れている。
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≪黒猫≫。
猫は黒がいい。
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こちらへ。
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右側は関根民雄の焼き物、陶器。
タイトルは≪土、石そして地球≫。そのⅠからⅧまで。
関根、カリフォルニアで土をこね、焼いている。カリフォルニアは反トランプの動きが強いところ。「地球」と入っているところに、地球環境のことなどに目もくれないトランプに対する意思があるのか。
しまった。関根とそういうような話はしなかった。関根、久しぶりの日本で毎日酒を飲んで楽しそうであったが。
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釉薬がかかったもの。
深い青色に光り、とても美しいものであった。
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土だ。
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土だよな。
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焼き物なのに平面に近い。
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こういう形状、以前、紙かなにか別素材で作っていたな、関根は。
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文房堂ギャラリー、4、5段の階段がある。その横へ。
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小さなお寺の釣り鐘のような作品、≪土、石そして地球≫の作品のひとつであるが、芳名帳の文鎮としていた。丁度、手ごろ。
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吉岡和夫の作品。
キャンバスにパステル、アクリル、油彩。
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右は≪流れとよどみー仙川≫。左は≪時の漂いー根府川の海≫。
吉岡和夫、美術評論家の早見堯。何やらいわくありげなタイトルである。が、目くらましのようにも。
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パステル、アクリル、油彩ばかりじゃないよ、これは。何かモノもつけているやに思える。
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こうして見ると、何やら深みに引きこまれそう。


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天皇陛下御在位30年記念式典。
今上天皇が作詞され、皇后さまが作曲されたという「歌声の響」が、沖縄出身の三浦大知によって歌われた。
その言葉、その節回し、完全、完璧な琉歌である。
天皇、皇后の沖縄に対する思い、まさに極まれり、と感じる。
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天皇、お言葉を述べられる。
統合としての「象徴」としての模索、「象徴」ということへのお考えが強く迫ってきた。次の世代の天皇の「象徴」のあり方についても。
今上天皇、立派に「象徴」のお立ち場を果たされた。
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天皇の横で皇后さまが見守っておられる。
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天皇、お言葉の中で読み間違ってしまわれたところがあった。
皇后さまがすっと寄っていって手助けをされていた。
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天皇、しまったという苦笑いのような表情をされていた。
仕方ないよ、お年なんだもの。かえって人間らしい感じがしてよかった。
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安倍晋三の発声で万歳三唱。
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天皇、皇后、退席される。
川口順子さんの姿、久しぶりに見た。
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波乃久里子、三浦大知、千住明、千住真理子と言葉を交わす。
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天皇、皇后、公の場ではあと一度か二度。何度も手を振り、去っていく。
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NHKの中継、終わる。


ドナルド・キーンが死んだ。
日本人となって「鬼怒鳴門」となった。三島由紀夫が頭によぎる。


辺野古埋め立てに関する沖縄県民投票、反対票が多数を占めた。
法的拘束力はないが、どうする。政府は中央突破をはかるであろう。
沖縄に対する思いが強い天皇、皇后も今日の県民投票の結果をご覧になっていたであろう。内心、どうお思いであられようか。