東博夜桜。

東博本館裏の庭園、この春最後の夜間開園に間に合った。

本館真裏のラウンジの扉から外が見える。ガラスを通してボーと白い。庭園の桜が見える。
普段はここから外へ出ることはできないが、春と秋の庭園解放の時のみ出ることが許される。この日は春の夜間庭園開放・ライトアップの最後の日。
外へ出る。

扉の外はバルコニー。
左側の大きな桜木はオオシマザクラ。

ライトアップと言っても、千鳥ヶ淵や目黒川や六義園などとは異なる。桜の名所のライトアップは派手やか、華やかである。が、東博のライトアップはボヨーンとした感じ。電気でライトアップしているのであるが、電気がない時代のライトアップのよう。
そう、どちらかと言えば、靖国神社内庭のライトアップに近い。

まるで江戸時代の夜桜見物を思わせる。
もちろん、その時代にタイムスリップしたことがないので、確かなこととは言えないが。

桜木の下の江戸時代の皆さん。んーなわけはありません。

薄墨のオオシマザクラの上に、月がボゥーと。

   東博の庭園よぎる桜月夜
    こよひ逢ふ人みな美しき
与謝野晶子先生、ごめんなさい。
東博庭園内ボゥーとしているので顔の判別など利かず、皆さん美しく感じてしまうことでして。

エドヒガンのシダレザクラ。
東博本館裏の庭園、そう広いわけでもなく多くの桜木があるわけでもないが、このエドヒガンシダレザクラは、中でのスターのひとつ。

皆さん、写真を撮っている。

皆さんがこう座っているところから見ると、この桜木はオオシマザクラ。

東博へは永年行っている。本館裏の庭園にも毎年春秋に入っている。その位置により、その桜木は何かがほぼ解る。
これは右手の方で撮った。エドヒガンのシダレザクラであろう。

池を挟んだ向こう、小堀遠州が京都伏見の六地蔵に建てた茶室・転合庵にも灯が当てられているようだ。
転合庵、闇の中にボゥーと浮かび上がっている。背後の桜は、ヤマザクラ。

本館東の出入り口から出、振りかえる。
大きなミカドヨシノがある。
左は本館。

本館正面の壁面にはこのような垂れ幕が。



東博本館裏庭園の夜桜、今年唯一の花見であった。
今年はこれでいい。一か所でも行けて.嬉しかった。
来年はあちこちの桜を訪れたい。京都あたりへ行けるといいが。