東博の桜。

今年の桜前線、例年よりも進行が遅いと言われていた。が、何の何の、あっと言う間に開花した。
昨日、学生時代の仲間と東博の桜を見に行った。10人ちょっとの予定であったが、公私ともに忙しいという者や、体調を崩してという者や、この4月から孫の迎えが入っちゃってという者があり、昨日集まったのは7人。

ここ暫くの東博での”博物館でお花見を”、この時季日本を出ていた時以外は、毎年行っている。

東博構内、様々な種の桜があるが、やはり最も多いものはソメイヨシノである。
満開、いや少し盛りを過ぎている。

樹下には、多くの花びらが散り敷いている。
このような状態、歳時記には、「花の塵」とある。
しかし、4〜5年前、私はこのような状態を、「花漠」、「花の漠」と名づけた。”塵”よりは”漠”の方が趣きがあろう、と考えて。

ミカドヨシノであったか。

小堀遠州が京都伏見の六地蔵に建てた茶室・転合庵を移築した方への小道を入ろうとしたら、塞がれていた。お茶会が開かれているため通行禁止、ということが記されていた。
で、少し先の小道を入り池の向うをふり返る。

赤坂にあった九条家の邸宅を移築した九条館の前。
東博、もとは寛永寺の境内、と庭園散策マップにある。他の桜の名所のように、全山満開、一望満開なんてことはない。そう多くの桜木があるわけではない。が、さまざまな種の桜がある。だから、咲いている桜もあれば、まだ咲いていない桜もある。

本館から平成館への渡り廊下のジョイント部分。桜花が重なっていた。
実際の桜花と、ジョイント部分の窓に映る桜花が。

少し前に出て、窓に映っているところだけを写すと、こう。
スッキリはしているが、二重写しに重なった前の方が面白い。

本館すぐ裏のオオシマザクラ。
花色は白。
そのすぐ近くのエドヒガンシダレは、既に散っていた。見事な枝垂れ桜なんだが。

本館裏から池を挟んだ向う側、転合庵の方を見る。

本館前のヨシノシダレ。東博の桜木のシンボルである。
例年、開花は遅い。満開は、おそらくあと1週間か10日後であろう。
それよりも、気になることがひとつある。その樹姿である。枝が幾つか切られている。満開になると、きれいな笠状になる桜木であった。満開になった時、少なくなった枝で、はたして美しい姿を形造れるか、心配だ。

昨日の東博、満開、盛りにはあと1週間か10日という桜木もあったが、ソメイヨシノは盛りを過ぎていた。
「花漠」、「花の漠」、あちこちにあった。この言葉を創った4〜5年前、皆さまどんどん使ってください、と記した。が、その後、この言葉を使ったものを知らない。金子兜太か長谷川櫂あたりに使ってもらわなければ、人口に膾炙するには至らないか。

ソメイヨシノの落花と桜木のコラボ、美しい。

これも。


今日、三陸鉄道南リアス線、全線開通した。盛から釜石まで。明日、北リアス線も全線開通する。
三陸鉄道、第三セクターの鉄道である。地元の人は喜んでいる。よくぞ開通してくれた、と。

2年少し前、一昨年初めの盛駅、電車は走らないが、ふれあいの場となっていた。
”つながろう三陸! つなげよう三鉄!”を掲げていた。

盛駅に停まるこの電車、大震災の後、人力で盛駅まで押してきたそうだ。

「さんてつ通信」次々に貼りだされていたようだ。

今日、盛から釜石までの三鉄鉄道南リアス線、全線開通した。明日、北リアス線も全線開通する。しかし、釜石から宮古までの間、JRの山田線はいまだ不通。東北沿岸を結ぶ鉄道、とても難しい。どだい、採算が取れないんだ。これからが大変だ。
バスと電車では通るところ、少しは異なろう。しかし、2年少し前バスでこの地を走った感覚では、所々にある漁港、小さな港町、さほどの人は住んでいない。三陸鉄道が採算を取ることは難しい。
一番いいのは、多くの人が三陸へ行くことである。でも、なかなかそうもいかない。国の支援が必要だ。国の支援、続けてもらいたい。三陸沿岸の人々のため。
上の写真は、2年少し前の盛駅ホームである。
今日、釜石までの南リアス線、全線開通した。その支援、どうするか。
三陸へおいそれと行けないお方は、三鉄のウェブサイトで三陸名産を何か買うことであろうかな。