東博の桜。

今年の桜、やけに急ぎ足であった。
2月の気温がどうこうで、3月になるとどうこうで、といった”そのワケはこう”ということは知っている。それはそうだが、櫻花、常の年より2週間近く早く来た。

東博の春の庭園解放、3月19日から4月14日まで。「博物館でお花見を」である。
例年ならば、東京の桜、盛りは過ぎてはいるがまだまだ、という頃である。ところが今年は、”残花は何処”と探しても、とうの昔にそれはない。東博のお花見のための庭園解放、明後日までまだ開かれているというのに。
東京、3月22日、満開になった、と報じられた。午後、東博へ出かけた。花見に。

桜と紅葉、年に2回解放されtる東博本館裏の庭園。今年は、解放してすぐに満開の時を迎えた。
向こうに見えるのは、エドヒガンシダレ。

春草庵の向こうには、ヤマザクラ。
春草庵、小さな庵。江戸時代に淀川改修工事の際建てられた小さな休憩所、その後大阪へ、さらに原三渓の手に渡り横浜の三溪園へ移築される。さらに、松永耳庵に手に渡り、東博へ寄贈された。

確かに、”今を盛り”だな。

転合庵の裏から池を通して本館側を見る。
エドヒガンシダレが見える。

春の景であり、春の色である。

櫻花の小枝を通し応挙館を見る。

転合庵の裏から見たエドヒガンシダレ、近くへ行くと、満開である。
近場のオオシマザクラは、まだ開花に至ってはいなかった。

こちら側から池を挟んだ転合庵の方を見る。
転合庵、小堀遠州が京都伏見に造った茶室。その背景はヤマザクラ。

庭園を出て、本館前へ戻る。
この日、東博を代表する桜木のひとつ、本館前のヨシノシダレはまだ花には程遠い状態であった。この桜木、里桜系の園芸品種。花期は、ヤマザクラなどより遅れるようだ。

ソメイヨシノの向こうに黒門。
黒門、重要文化財である。因州(鳥取藩)池田家江戸上屋敷の正門。東大の赤門と並ぶ大名屋敷門である。

表慶館裏のシダレザクラ。
表慶館の緑の屋根がチラと見えるが、枝垂れ具合は、やはり柳には適わないな。

表慶館の前のヨシノザクラは満開である。
満開の桜花を通し、表慶館が浮かぶ。