東博の桜。

昨日の関東、今にも降りそうな空模様。昼すぎ東博へ電話すると、本館裏の庭園、今のところ解放している、とのこと。

出かける。

東博の庭園、満開だ。

しかし、足元を見ると桜の花びらが散り敷いている。
昨日、風は強かった。が、花のピークも過ぎている。

江戸時代、淀川改修工事の際に建てられた休息所の春草廬にも、ヤマザクラが降りかかる。

<入母屋の妻に掲げられた「春草廬」の扁額は、能書家として知られる曼殊院尚法親王(1622〜1693)の筆で、原三渓が松永耳庵に贈ったものです>、と東博。
「春草廬」自体、大阪へ移された後、原三渓、松永安左エ門(耳庵)の手を経て東博へ寄贈されたもの。

春草廬の横手も花びらが散り敷く。

春草廬の反対側へ廻る。

茅葺きの屋根にも花の塵。

小堀遠州が京都六地蔵に建てた茶室・「転合庵」の裏では、何やら作業が進んでいる。夜にライブがある、という。

池を通し本館を見る。

本館から平成館へのジャンクション、工事中。

例年、本館裏で存在感を示しているエドヒガンのシダレザクラは、ピークを過ぎたようだ。

その近くの白い花色のオオシマザクラは、今が盛り。

夜の帳が下りる頃、転合庵の裏でシタールの調べが流れる。
池を通し、本館裏から見聴きする。
シタール本来の曲に挟まれ、「竹田の子守唄」、「イマジン」が演奏された。シタールはインドを含め幾度か聴いているが、「竹田の子守唄」も「イマジン」もピタリ、包みこむような音色によくフィットしていた。

シタール:サワン・ジョシ、キーボード:野崎洋一、パーカッション:関根真理。
サワン・ジョシは、ネパールの出身。東京藝大大学院で学んだそうだ。日本の大学や大学院で学んだという外国人のことを聞くと、どことなく嬉しい。

庭園入口のミカドヨシノもピークを過ぎていた。
暗闇の中、本館の壁に微かな影を写している。
なお、一年前には元気がなかった本館前のシダレザクラ(ヨシノシダレ)、やはり本館前の大きなユリノキと並ぶ東博のシンボルツリーであったが、いよいよ具合が悪くなり、昨年末に伐採された。
が、親木から生えていた若い枝を採取、育成しているという。いつの日か、あの円やかな樹姿が甦ることを願うこと切。