教授のおかしな妄想殺人。
こんなにも容易く完全犯罪の殺人ができるなら、そうしてもらいたいと思っている人がいるのだが一人、なんてことを言ってはいけませんよね。やっぱり。
アメリカ東部の大学に哲学科教授のエイブが赴任してくる。この男、脂の乗りきった40代の男であるが、何ごとにも無気力なんだ。ところが、世の中というものは不思議なもので、ピチピチの女子大生・ジルがこの無気力男に夢中になる。ミステリアスで何やら深そうって。このようなこと、一般世間にはままあることでありますね。
無気力な哲学科教授・エイブにはホアキン・フェニックス、そんな男に惹かれるピチピチ女子大生・ジルにはこのところメキメキ売り出しのエマ・ストーンが扮する。
「教授のおかしな妄想殺人」って、おかしいと言えばおかしいんだ。無気力な男であった哲学科教授・エイブ、たまたま悪徳判事の噂を耳にしたとたん、その脳裏に考えられないような思いが広がるんだ。この悪徳判事を殺してやろう、という妄想が。
その妄想により、無気力男のエイブ、アグレッシヴでポジティヴな人間に変わっていく。悪徳判事を殺すことにつき進む。初めは、「やめろよ」と言っていたピチピチの女子大生・ジルの思いにも応じていく。やる気満々の男に変わっていく。
で、実行する。
悪徳判事を殺すことを。いとも簡単に、容易く。悪徳判事を殺す動機もなにもないんだから、完全犯罪となるはずである。
しかし、そうはならない。
ピチピチの女子大生・ジルからは、自首を勧められる。
と、哲学科教授・エイブ、ジルをも殺そうとするんだ。「オイオイ、すべてに無気力であった男、この世に未練が出てきたのか」って具合。
が、そんなことはすべてお見通しの神さまが許しませんよ、やはり。哲学科教授・エイブが、と言うことになる。タネをばらすと。
実は、ウディ・アレンの前作『マジック・イン・ムーンライト』を見ていない。その他のウディ・アレンの作品は、その都度見ているのに。封切り時、見逃して、その後も行き違ってしまった。エマ・ストーンを使った作品なのだが、残念。
ピチピチの女子大生・ジル、付きあっている男の子もいるのに。
こんなグダグダとした中年男に夢中になっていくんだ。
まあ、おもしろいと言えばおもしろい。
悪徳判事を殺したばかりか、それを知り自首を勧めるジルをも殺そうとした哲学科教授・エイブ、最後には自らが死ぬ。
この作品、原題は”Irrational Man(不条理男)”である。不条理と言えば不条理である。
が、ウディ・アレンの作品としては、今ひとつである、この作品。エマ・ストーンの健康的なおみ足には二重丸であるが。
何言ってんだ、俺は、かな。
ポピュリスト、ドナルド・トランプ、三権分立をぶっ壊しにかかっている。
ドナルド・トランプ、世界の多くの国の憧れであり、その指標としてきたアメリカという国をぶっ潰そうとしている。アメリカ・ファーストなんてことを言いながら。
ドナルド・トランプが何を言おうと、われ関せず、私は私の道をゆく、という男がいる。
今日は水曜日、朝日夕刊にはその男・向井万起男の「大リーグが大好き!」が載る。
今日の向井万起男、ボストン・レッドソックスからいなくなった上原について記している。
アメリカという国に、ドナルド・トランプという男がいることなど、その脳裏にはまったくなし。
さすが向井万起男、と言うべきなんだろう。