ブルックリン。

先日のスーパーボール放映時のバドワイザーのCMが問題となっているそうだ。バドのCMを見てみた。、移民がアメリカを作った、ということを力強く伝えている。が、トランプによるイスラム圏7か国からの入国禁止に抗議したものだ、と騒いでいる輩がいる。バドワイザーの不買運動を、なんて言っている。度し難い奴ら。
移民に目くじらを立ててどうする。アメリカは移民の国、ネイティヴ・アメリカンと奴隷として強制的に連れてこられた人の子孫以外、移民でない人やその子孫など一人もいない。
アメリカへの移民、旧大陸から概ね貧しい人たちが移住してきた。アメリカンドリームを胸に刻んで。

『ブルックリン』、心に染み入る作品である。監督は、ジョン・クローリー。
アイルランドから若い女性・エイリシュがアメリカへ渡ってくる。1950年代初めの頃である。
アイルランドからというのがミソである。
JFKもロナルド・レーガンもアイリッシュ・アメリカンであるが、一般的にアイリッシュ・アメリカンはアメリカの主流ではない。アイルランド自体、ヨーロッパの辺境とも言えるし。

アイルランドからニューヨークへ渡ってくる移民、その多くは川向うのブルックリンに住む。日本人でもそうである。半世紀前ニューヨークへ渡ったギューチャン・篠原有司男とキューティーもブルックリンに住んでいる、ずっと。
ブルックリン、そういう街なんだ。

アイルランドからの移民、船でニューヨークに着く。
本作品の主人公である若い女性・エイリシュ(惜しくも逃したが、本作品で昨年度のアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたシアーシャ・ローナンが扮する)、アイルランドのナショナルカラーである緑色のコートを着ている。

アメリカへの入国だ。

ブルックリンで下宿する。
まだ緑色の服を着ている。

デパートの販売員として働き始める。

明るい色の服を着ているな。
神父の紹介で大学の社会人向けの講座で簿記を習ったり、アイリッシュ系のダンスパーティーでイタリー系の若者・トニーと知り合ったりと。アイリッシュ系とイタリー系って取り合わせも、アメリカだなーって思い幾重にも湧きあがる。
この後、さまざまなことが起こるんだ、エイリシュの上に。若い女性にとっては重すぎるなーってことごとが。
アイルランドに帰り、そこでの平穏な生活を思ったり。が、それが叶わなくなる事情が生じたり、と。
で、エイリシュ、最後にはブルックリンに戻るんだ。

ブルックリンに戻ったエイリシュの足下にはトランクがある。そこへイタリー系移民のトニーが。よかった。当然、そういう選択肢が一番いいよ。


今夜、安倍晋三は政府専用機でワシントンへ向けて飛び立った。
安倍晋三、くれぐれもただ飯は食ってくれるな。何らかの提起がされた時には、ドスンと切り返してくれ。