丸山則夫 季節の瞬間展。

先月中旬、Team Border展を見に行く前、奥野ビルへ寄った。丸山さんはどうしてるかな、と思って。

アレッ、奥野ビル、シートがかかっている。
改修か、修繕か。平成になって建てられた高層アパートでも10年毎ぐらいに大規模修繕を行っている。昭和の初めに建てられた奥野ビルなら、より頻繁に改修、修繕が必要となろう。
しかし、建物の中には電気が点いている部屋もある。
建物内は動いているようだ。

501号室、Art Space RONDOは開いていた。
丸山さんもいた。
丸山さん、Art Space RONDOのオーナーであるが、写真家でもある。

丸山則夫「季節の瞬間」展の案内ハガキ。

部屋へ入った正面。
右側の作品は・・・

これ。
木のようだ。

Art Space RONDOの一等地、丸窓のところには・・・

この作品。

幾つもの木が生えている。ボウとした中に。
丸山則夫、以前、こう記していた。
<毎日夜明け前に自宅近辺を彷徨い、四季の移り変わりの瞬間に出逢っています>、と。
丸山さんにこう訊いた。
「今でも、夜明け前にしか写真を撮らないんですか?」、と。
丸山さんはこう言う。
「はい、そうです。夜明け前の一瞬だけ」、と。
丸山則夫の切り取る世界、陽が出ない闇の世界から、陽が出る直前までの世界である。その瞬間。
この作品など緑のグラデ、美しい。

「これは何だか分かりますか?」、と丸山さんが言う。
「ウーン、何ですかねー」、と私。これが何だと言われても、分かるわけがない。
「ススキの穂なんです」、と丸山さん。

そうか。
水滴のようなものもついている。

「これは何か山並みのように見えますが」、と私。
「そうです。夜明け前の山並みです」、と丸山さん。

以前、10年ぐらい前、私もこのような場に立ち会ったことがある。
ネパール、カトマンドゥの郊外に、ヒマラヤの山並みの夜明けを見に行った。闇の中からヒマラヤの峰々が朧げに姿を現した。
今思えば、丸山則夫作品の朧げさと同じような。

「これなどもっと朧げですよ。朦朧体だ」、と言って丸山さんこの作品を手にする。
「この丸山さんと朦朧体の写真、ブログに載せてもいいですか?」、と訊いた。
「いいですよ、どうぞ」、と丸山さん。

薄っすらとであるが、「季節の瞬間」という字が読みとれる。

銀座最古の手動式エレベーターも健在である。
大きなリュックを背負ったガタイの大きな男が乗っていった。
体育会系の男かと思ったが、右足はブルー、左足はイエローオーカー。ガタイはデカイがアート系の男なのだろう。
奥野ビルである。
この日、カメラの設定が悪く、写真がギザギザになってしまった。この日のTeam Border展と同じである。致し方ない。




昨日、そのTeam Borderの小澤潔からサンキューカードが届いた。
Team Borderの5人、感謝のお辞儀をしている。
案内ハガキもカッコよかったが、サンキューカードもしゃれている。