奥野ビル。

丸山則夫の夜明け前の写真、特に今回の写真は夜明け前とは言っても、まだ闇が勝っている時のものであるから薄暗い。ボヨーとしている。だからそれを撮るのは難しい。それよりもカメラの設定が悪く、撮った写真がギザギザになってしまうのが不本意である。
で、10日ほど後、撮り直しに行った。

奥野ビル、相変わらずシートに包まれている。

5階のArt Space RONDOへ行くと、何やらいつもと雰囲気が違う。
布が下がっている。丸山則夫の写真展は終わっていた。
「二人帯展とアクセサリー展」というもののようだ。井上玲子、高橋郁子、澤田ひさ美、という3人の作家。

部屋へ入る。
布地、帯のようなものが並んでいる。
中は女性ばかり、丸山さんの姿は見えない。
「丸山さんは?」って訊いた。「今さっき、フラッと出て行かれました」、と女性のひとりが答える。

布を探し、時には刺繍を施したりパッチワークをしたりと、オリジナルの帯を作っている、と言う。

「この丸窓のところ、RONDOの一等地ですよね」、と言うと・・・

「私がそこを使わせてもらいました」、という声が返ってくる。

井上玲子≪胡蝶の夢≫。
絹・刺繍・額装。

広くはないArt Space RONDOの室内、帯や和のアクセサリーで満杯である。
おそらくお仲間であろうか、和服をお召のご婦人が次々と入ってこられる。

「RONDOでこのような展示は初めて見ました」、と言ったら、「丸山さんもそう言っていました」、と返ってきた。

趣きがある。

数々の創作、再生された帯。

来る時は、5階まであの手動式エレベーターできたが、帰りは階段を下りる。
この階段も、長い歳月を経た重厚なもの。味わいがある。
先の方、5階から4階の踊り場の左の方に少しのへこみがある。そこに・・・

小さなこれがある。
マリノ・マリーニ作品のミニチュアのようなもの。
横に<盗らないで下さい。防犯カメラ作動中>、との文言がある。が、奥野ビルへ来るような人、盗らないよ。わざわざ理を記さなくとも。

4階から3階への踊り場には、これ。
ガラスのビン。
何が入っていたんだろう。

3階から2階への踊り場には、これがある。
植物の実。

1階、エレベーターの前へ出る。
奥野ビルである。


今日、ソフトバンクの孫正義、トランプタワーでドナルド・トランプと会談した。
孫正義、アメリカのスタートアップ企業に500億ドル(5兆7000億円)の投資を行う、と表明したそうだ。
ドナルド・トランプ、孫正義をファーストネームの「マサ」と呼んでいる。
リメンバー・パールハーバーの日となるが、太平洋の彼方からの孫正義の後押し、どうなるか。
ドナルド・トランプと孫正義の化かしあい、とも思えるが。