みんなのアムステルダム国立美術館へ。

たしか昔、グリコの宣伝コピーに「一粒で二度おいしい」、というものがあったような気がするのだが、違うかな。
ウケ・ホーヘンダイクという女流監督による『みんなのアムステルダム国立美術館へ』も、「一粒で二度おいしい」の類いに思われる。5年前には、『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』であった。今作はその続編だ。しかし、その内容はさほど変わらない。
そうではあるのだが、とても面白い。

<美術館は誰のもの?>、とある。
改修にあたり、館長、学芸員、建築家、内装家ばかりじゃなく、政治家、市民団体などさまざまな人たちが、主張をぶつけている。

本作のポスターに扱われているのは、ヨハネス・コルネリス・フェルスブロンクの≪青い服の娘≫。ネーデルランドを感じる。

アムステルダム国立美術館、左下のアーチの中が自転車の通路なんだ。

このように自転車が走り抜ける。
オランダは自転車の国である。アムステルダム国立美術館の中にも自転車が通り抜ける道がある。サイクリスト協会という組織もある。日に13、000台の自転車がといってアムステルダム国立美術館の改修に口を挟む。
オランダ、民主国家なんだ。

みんなの、みーんなのアムステルダム国立美術館なんだ。

侃々諤々の議論も交わされる。

それぞれの人も面白い。
このアジア美術部門の部長など、日本から金剛力士像を手に入れ、してやったりの表情。この上ない趣き、なる表情を浮かべる。

この作品は、レンブラントの≪夜警≫である。
≪夜警≫、大きな作品である。手前に木組みが見える。これを使って壁に取りつけるのであろう。
それにしても映画では、アムステルダム国立美術館全面改修のため、2004年から10年間に亘り閉館していた、とされていた。不思議でならない。
実は私、2007年12月30日、アムステルダム国立美術館へ行っている。
その前日、ケルンからドイツの誇る超特急ICEでアムステルダムへ着き、その翌日である。国立ゴッホ美術館へ行った後、アムステルダム国立美術館へ行った。
レンブラントの作品やフェルメールの作を見た覚えがある。休館中のはずなのに、不思議である。
今から8年前、おそらく改修工事の端境期であったのであろう。で、公開していた。
で、レンブラントの≪夜警≫もフェルメールの4点も見ることが7できた。