グエルチーノ展。

バロック絵画と聞けば、まず思い浮かぶのはカラヴァッジョ。ちょっと濃すぎるな、日本人の美意識には少し合わないな、という思いを持っている。
カラヴァッジョより少し後、同じイタリアにグエルチーノが現われる。1591年、北イタリア、ボローニャ近郊のチェント生まれ。知らなかった。
同時代の作家には、フランドルのルーベンスやヴァン・ダイク、フランスのニコラ・プッサン、スペインにはベラスケスがいる。オランダのレンブラントやフェルメールも同世代であり、やはりバロックの画家とされている。が、レンブラントやフェルメールをバロックとは、私の感覚では、”違うよな”という思いがある。
それはそれとしグエルチーノ。

初夏の上野。

久しぶりの国立西洋美術館。

我が国初のグエルチーノ展。

≪聖母子と雀≫。
1615−16年頃、油彩。
古典的でもあり、新しくもある。。

≪聖イレネに介抱される聖セバスティアヌス≫。
1619年、油彩。
グエルチーノ、1621年にローマへ出るまで、ほぼ独学で絵を学んだそうだ。

≪マルシュアスの皮をはぐアポロ≫。
1618年、油彩。
ローマ滞在前の作。どこかドラマティック。やはりバロック。

≪ゴリアテの首を持つダヴィデ≫。
1650年頃、油彩。
後年、ゲーテはこう記しているそうだ。「グエルチーノといえば神聖な名前であって、子供や老人の口にも膾炙している」、と。ヨーロッパではグエルチーノの名、よく知られた存在だったんだ。しかし、極東の島国には、その名、浸透していなかった。

音声ガイドもタッチパネル方式のものが増えてきた。

グエルチーノ、少し年長、カラヴァジョとほぼ同年代のグイド・レーニをライバルとしていたそうである。
ローマの貞女・ルクレティアを描いた作品。左の2点はグエルチーノの作。右の優美な作品はグイド・レーニの作。

夜、闇の中の国立西洋美術館。
グエルチーノ展の看板、バロック的。