フェルメール(?)もビックリ!? 光と影展。

バルチュスは20世紀の巨匠であるが、古来何世紀にも亘り巨匠であり続けているアーティストがいる。
レオナルドやミケランジェロやデューラーやレンブラント、といったとてつもない人たち。フェルメールもそのような人たちのひとり。いや、フェルメールの巨匠度は、時が経つにつれて上がっている稀有な例。
そんな”フェルメールもビックリ”、という光と影展の案内ハガキが犬飼三千子から届いた。ずいぶん前、4月半ばのこと。
”?”や”!”は付いているが、フェルメールもビックリの光と影、如何なるものか観に行った。

この銀座らしからぬ泥臭い看板が、ギャラリーGKの常の姿。

銀座6丁目のギャラリーGK、表通りから細い横町へ入り、さらに細い道へ折れる。
だから、ギャラリーの外側のウィンドーの作品を撮るにも、こういう角度となる。

反対側から撮っても条件は同じ。
道路というより通路の幅、1メートルもないんだから。

ギャラリーに入る。
このフェルメールもビックリの光と影展には、50人ぐらいのアーティストが参加している。小さな作品がビッシリと掛けられている。
しかし、どこが”フェルメールもビックリ”なんだ、と思わざるを得ない。

さらに、しかーし、どこが”光と影”なんだ、とも。

唯一、これがあった。
犬飼三千子の作品だ。
フェルメールの”手紙を読む女”にインスパイアされた作品であると思われる。
現存するフェルメールの作品、30数点、最も多く数える人でも37点である。その中、”手紙を読む女”は2点。
1点は、ドレスデンのアルテ・マイスター絵画館所蔵の≪窓辺で手紙を読む女≫。
もう1点は、アムステルダム国立美術館所蔵の≪手紙を読む青衣の女≫。
ドレスデンのアルテ・マイスター絵画館には、20年ほど前に行った。そう大きな美術館ではなかった、という印象があるが、驚くような古典絵画の宝庫であった。フェルメールばかりじゃなく。
アムステルダム国立美術館へ行ったのは、7年近く前になる。ひと月ばかり、欧州のあちこちを電車で動いている時に寄った。いずれも小品であるが、≪手紙を読む青衣の女≫を含むフェルメールの作品が4点展示されている様を見た時には、息を飲んだ。

犬飼三千子の作品。
タイトルは、≪光の中に≫。
ドレスデンとアムステルダムにあるフェルメールの”手紙を読む女”、犬飼三千子はどうもドレスデンのフェルメールを描いたようだ。

この作品の犬飼三千子のタイトルは、≪暗い中に≫。
グルグルと巻いて纏めた髪型、確かにフェルメールの”手紙を読む女”。