山宣お気に入りの剱岳。

たまたまであるが、昨日昼すぎテレビをつけたら「剱岳をゆく」というものが現われた。
剱岳、行ったことも見たこともない。山本宣史・山宣の絵で知っているだけである。標高2999メートル、3000メートルには1メートル足りないそうだが、いや、ずいぶん厳しい山なんだ。
NHKの番組では、「長次郎谷」という古いルートを登っていた。傾斜30度の登り、40度の雪渓、50度の岩壁、こういうところを登っていく。厳冬期ではなく夏場の季節らしいが、それでも厳しい。
山登りもやっていた山宣もこんなところを登っていたのかな、とチラと思った。

第59回日本表現派展。
一昨日、後藤亮子展を観に行く前に行った。

日本には絵描きが多い。

皆さん、力作だ。

日本表現派同人の山宣の作品は、ここにあった。

山宣得意の膠彩画。
タイトルは≪錦秋の裏剱≫。150号の大作である。
山宣、今までに多くの剱岳を描いている。
この春、日本表現派ー東京ー2015展には、≪蓼咲く別山より剱岳≫を、昨年秋の第58回日本表現派展には、≪剱岳へ≫をと。いずれも膠彩画であった。
が、2010年5月の日本表現派ー東京ー2010展での、水墨画による≪剱岳・別山より≫が素晴らしかった。
その写真を探したのだが、出てこない。どこかにまぎれている。あるには違いないのだが、整理が悪いんだ。
仕方ない。5年半前のブログに記した≪剱岳・別山より≫のネームをコピーする。
<水干と岩絵の具を併用した日本画も出していたが、私には、剣岳を描いた水墨画の方が面白く感じられた。天地100センチ、左右150センチ、タイトルは、「剣岳・別山より」、となっていた。別の山から見た剣岳か、と思っていたら、そうではなく、別山(べつざん)という山があるそうだ。剣岳の近くに。山のことなど何にも知らないので、聞かなければ、別の山から、と思っていたな。>
<本当は、この反対側の仙人の池から見る、秋の剣岳がいいのだが、これは夏の剣岳だという。雪渓がところどころに残っている。>
今回の日本表現派展への山宣の出展作は、その仙人の池から見る秋の剱岳である。仙人の池の水面に、錦秋の剱岳が映っている。水墨の剱岳がいいのだが、錦秋ならば膠彩となるか。

剱岳、長次郎谷ルートの頂上直下の最後の登りは、傾斜50度の岩壁であった。
この山宣の作にも、それはよく表わされている。