山宣のコラージュ。

山宣(山本宣史)、水墨画や作家が膠彩画と呼ぶ絵を描いている。山や海、ヨーロッパの古い街などを。特にお得意とするのは劔岳だ。ここ7、8年の日本表現派展への出品作も、その大半は劔岳を描いたものであった。表からの劔岳、裏からの劔岳、と。水墨画や山宣が膠彩画と呼ぶ日本画で。
それが今年の日本表現派展の会場にはなかった。
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日本表現派展、第63回展となる。
後期高齢者ながらとてもパワフルな女性・今岡紫雲英さんの白髪が見える。
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今岡紫雲英≪大道芸人達≫。水墨画。
今岡さん、休みの日など上野公園などに行き、大道芸人をスケッチしている、といつか話していた。
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力強い筆致。大道芸人の悲哀を描く。
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今年の日本表現派展への山宣の出品作はこれ。
山本宣史≪西方浄土乃国緬甸≫。「緬甸」、ミャンマーと読むそうだ。ミャンマーが仏教国であることは知っているが、「緬甸」と書くことは知らなかった。
それよりも、山宣のこの作品、コラージュであることに驚いた。さまざまな素材、技法をコラージュしている。
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ここらは水墨、膠彩画か。霊的世界を感じる。
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昔はビルマと言ったミャンマー、パゴダの世界。が、何とその下に写真が貼りつけてある。コラージュである。
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水墨のミャンマー。
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ミャンマーの町中の物売りの写真がコラージュされている。
9年前、高橋のチェンマイの別荘へ杉浦と二人招かれた。高橋、タイ北部へも連れてってくれた。国境の町・メーサイからミャンマーへ入った。数時間であったが、こういう露店も並んでいた。ミャンマーの道の脇で物を売るおばさんたち、みなさんこういう感じ。
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山宣の今回の作品の右下を見る。
スーチーさんの顔の下に、”NOW”と記されている。
よく見てみると、”MyanmarーJapan 2018 ART EXHIBITION”、とも。昨年末の12月にミャンマーの大都市・ヤンゴンで、ミャンマーと日本のアーティストが参加した催しが催されたそうだ。山宣、その催しに参加したそうだ。日本の絵描きとして。知らなかったが、山宣、国際親善活動もしているんだ。
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山宣、今回の作品の中に、自らの姿もコラージュしている。さりげなく。
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例年の通り、作品の横でニッコリとする作家の写真を撮る。
ところで、今年の日本表現派展には、山宣が天才と呼ぶあの花鳥画の作家の作品が出ていない。現代の琳派・中野大輔の作品が見当たらない。山宣に訊いた。
と、「ああ、彼は日本表現派をやめて、ニューヨークへ行きました」、と返ってきた。
そうか。ギンザシックスのゴウジャスな画廊で、1点400万円だとか500万円だとかで作品が並ぶ絵描き、ニューヨークに行くのが賢明であろう。ニューヨークで琳派の花鳥画を、と。中野大輔、ニューヨークで成功する確率はそこそこ高い、と思う。
毎月「藝術新潮」を見ている。いつの頃からか巻末に「千住博の往復書簡」という見開きページがある。日本画家である千住博、ニューヨークにアトリエを構えている。その千住博、毎号、巨大企業の社長やノーベル賞受賞学者などと書簡を交わしている。何かいやらしいな、という感じを受ける。同じニューヨークにアトリエを構えた中野大輔には、千住博のようにはなってほしくないな、と思う。
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実は、日本版画協会の版画展と日本表現派展は、東京都美術館で同じ会期で催されている。
で、先に版画展で小澤の作品を見てから、表現派の山宣の方へまわる。小澤が酒を飲まない故なんだ。
山宣の作品の前、久木と高橋がいる。これに山宣の弟とその友達、都合6、7人でどこかへ行くことになる。山宣の知る店へ。
ところが、山宣が知るその店に辿りつくまでは大変だった。あちこち行ったり来たり。私は足も腰も痛かった。脊柱管狭窄症の症状が進んだのかな、と思っていた。しかし、そうとばかりではない、と分かったのはその少し後であった。


やっと辿り着いた飲み屋での山宣の話に、上野駅に猪熊弦一郎の絵がある、とのことがあった。上野駅には時折り行くが、猪熊弦一郎の絵のことは知らなかった。
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帰り、改札の上を見ると・・・
駅舎の壁画としては、なかなかいい。
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中央改札の上に・・・
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昭和26年に制作したものだそうだ。タイトルは≪自由≫
その後、昭和59年と平成14年に修復されている。


ユーキャンの今年の言葉、トップは「ONE TEAM」。
そうか、そういうことか、とも思うが、リーチ・マイケルをただ利用しているだけだとも。


COP25が始まった。
195か国が参加したり、国連事務総長のグテーラスが何を言おうと、どうなるものでもあるまい。
あの男、アメリカのトランプがパリ協定からの離脱を通達しているのだから。
世界を救うためには、あの男・トランプを排除しなければならない、ということは自明の理であるが、それがそうといかないことが、問題だ。アメリカ国民よしっかりしてくれ、と思うのみ。