レヴェナント 蘇えりし者。

何日か前、今年のアカデミー各賞ノミネートが発表されたが、昨年はこの作品が話題となっていた。『レヴェナント 蘇えりし者』である。
監督のアレハンドロ・イニャリトゥが、その前年の『バードマン あるいは無知がもたらす予期せぬ奇跡』に続き2年連続で監督賞を手にした。何よりも、レオナルド・ディカプリオが5度目のノミネートでついに主演男優賞を取った。取って当然、という圧倒的な演技であった。

半年近く映画に触れる機会がなかった。その前からの積み残しも含め、早く追いつこうと思っている。

舞台は1823年のアメリカ西北部である。毛皮ハンターのヒュー・グラス(ディカプリオが扮する)の物語。実話に基づいた話である。
ヒュー・グラスが先導するハンター集団、先住民に襲撃される。当然だ。ヨーロッパから新大陸へ渡ってきた白人、次々と先住民の土地を侵食していったのだから。さらにヒュー・グラス、巨大な熊・グリズリーに襲われ瀕死の重傷を負う。助かる見込みは、ほぼない。

しかし、蘇える。
が、身動きがとれぬ間に、トム・ハーディ扮するワルに目の前で最愛の息子(先住民の女との間にもうけた息子である)を殺される。自らもワルに生き埋めにされる。
が、蘇える。
生肉を食い、這いつくばって何百キロも進み、砦に辿りつく。

生命の危機を脱したヒュー・グラス、息子を殺され、自らを生き埋めにしたワル・フィッツジェラルドを追う。

この作品、イニャリトゥが2年連続でアカデミー監督賞を取り、ディカプリオが5度目のノミネートでついにオスカーを抱いた、ということが評判となった。
だが、アカデミー撮影賞も取っている。素晴らしい映像、エマニュエル・ルベツキの手になるもの。

山、雪、そしてちっぽけな人間。
さまざまな色彩が入り混じった結果としての白と黒。

祈り。

ディカプリオ、圧倒的パワー、存在感を見せつけた。