女王陛下のお気に入り。
16世紀のスコットランド女王・メアリーとイングランド女王・エリザベスから時代が下った18世紀のイングランド王室、時の女王はアン。
アン女王、断頭台の露と消えたスコットランド女王・メアリーと種をもらったヘンリーとの間のジェームズ1世の後裔である。
つまり、現在のイギリス王室のご先祖。
18世紀初頭、イングランドはスペイン継承戦争の最中、フランスと戦っていた。
アン女王、1702年から1707年まではイングランド王国とスコットランド王国の君主として、1707年から1714年までは最初のグレートブリテン王国君主として君臨した。
<ごめんあそばせ、宮廷では良心は不用品よ>、と惹句にある。
アン女王、17人の子供を産むがすべて先立たれてしまう。
女王アン、フランスと戦っている渦中にあるのに能天気、気まぐれな女王である。ならば、誰が国を動かしているのか。女王の幼馴染みであるマールバラ公爵夫人のサラ・ジェニングス(レディ・サラ)が女王の最側近として国を動かしていた。
『女王陛下のお気に入り』、監督:ヨルゴス・ランティモス。イギリス、アイルランド、アメリカの合作。
アン女王にオリヴィア・コールマン、レディ・サラにレイチェル・ワイズ、そしてレディ・サラと女王の寵愛を競うアビゲイルにエマ・ストーンが扮する。
昨年度の第91回アカデミー賞の主演、助演女優賞にノミネートされた。
「肥満の醜女と言われている」、とご本人が言う女王アンに扮したオリヴィア・コールマンが主演女優賞を取った。
(中)女王アン。(左)レディ・サラ。(右)没落貴族の身から召使いとして王宮に入ったアビゲイル。
女王の時代、男は従。
種付けの道具ではあるが、17人の子をなしながらすべて亡くしたアン女王にとっては、男など眼中にない。
実は、レディ・サラとはベッドを共にする関係。同性愛、今の言葉で言えばレスビアン。
召使いとして宮廷に入ったアビゲイル、アン女王との間に抜き差しならない関係に持っていく。
同性愛、レスビアンの関係に。
エマ・ストーン扮するこの様子、
18世紀に現れたこの画像、 女王を篭絡し、追い詰められもする。
(右)女王アン。
(左)は、アビゲイルか。