奈良小散歩(4) ならまち。

うどん屋で少し休み、朝降りた東大寺前のバス停へ。赤い循環バスが来た。ならまち(奈良町)まで5〜6分、料金100円。
奈良の町中のこのあたり、ごく狭いエリアである。近鉄奈良から東大寺へは、東へ1キロほど。ならまちは、近鉄奈良から南へ1キロ程度。歩くことを厭わない人ならスタコラ歩いて廻れる範囲である。
奈良町(ならまち)自体さほど広いエリアではない。

格子と板壁。
奈良町(ならまち)も久しぶり。江戸時代後期の町屋が多く残る。

典型的な奈良の町屋。
格子にむしこ窓。

奈良町の通りだ。

突きあたりの家は、漢方薬を商っているようだ。
右手前の格子の端の方には、魔よけの”身代わり申”が吊るされている。

奈良町では、このような”身代わり申”があちこちの町屋の軒下に吊るされている。

この家も趣きがある。
格子に低い2階のむしこ窓。

蚊帳、という看板がかかっている。吉田蚊帳株式会社、という看板もある。蚊帳屋なんだ。

元興寺、<6世紀末、蘇我氏が飛鳥の地に建てた日本初のお寺・法興寺(飛鳥寺)に始まる。平城京に都が移った8世紀初め奈良へ移るが、宝徳3年(1451)の土一揆で多くの建物が焼け落ち・・・・・>云々。

いずれにしろ、元興寺の東塔の跡。
約50メートルの五重塔も安政6年(1859)に焼失した、という。

今、17個の礎石が残る。

いささかな思いがある十輪院の方へ歩く。
人がいないな。

畳屋があった。

すぐに、小ぶりな十輪院の南門。

門を入ると、すぐ目の前には軒や床の低い本堂。尼さんが竹ぼうきで白砂を整えている。
その尼さん、こう言う。「今日はこれから法要があります。ご住職のお話もありますので、よろしければお上がりになられたら」、と。ありがたかったが、その日泊まる宿がない身、本堂へ上がることもご住職の法話も聴くこともできなかった。
なお、緩やかな勾配の屋根を持つこの本堂、鎌倉時代の創建。何でもなく見えるが、国宝である。

境内には小さな池がある。
河童が2匹いた。

このような石仏もある。鎌倉時代の不動明王。
十輪院と言えば、まず思い浮かぶのはこの石のお不動さま。久しぶりのご対面。

得も言えず。