青もみじ巡り(29) 東福寺。

サッカーW杯が始まったり、学生時代の古い仲間とのグループ展をやったり、時には休んだりしているうちに、一か月近く経ってしまった。
京都の青もみじ巡り、皇室所縁の泉涌寺の塔頭・来迎院の含翠の庭までで途切れていた。あとひとつ、東福寺が残っている。数日、東福寺がらみを続ける。
東福寺、”もみじ”と所縁のある寺。それだから、”青もみじ”とも所縁の深いお寺故。
4月末、来迎院を出た後東福寺への途次、うどん屋を見つけた。ごちゃごちゃとした古い店。昼時とあって混んでいた。うどんを食った。考えてみると、関西にいた間、毎日昼はうどんを食っていた。

雨模様の中、東福寺へ向う。

東福寺、広大なその境内に三つの渓谷を取り入れている。三つの歩廊橋がかかる。
これは、臥雲橋。

臥雲橋から青もみじの洗玉澗を挟み、通天橋が見える。

ここを進む。

日下門を通り、境内へ入る。
正面に本堂が見えてくる。
東福寺、京都五山のひとつ。大寺院である。
<創建は古く鎌倉時代。ときの摂政関白・藤原(九条)道家が、南都東大寺と興福寺から「東」と「福」の二字をとり、・・・・・。京の「新東大寺」として、・・・・・、都最大の伽藍を完成させました>、と東福寺のパンフレットにある。南都・奈良の東大寺に匹敵する寺として創建されたんだな。

さほどのものではないが雨。
右手には本堂。その左に見えるのは、通天橋へつながる回廊。

東福寺、臨済宗東福寺派大本山。禅寺である。
開山は、聖一国師。
パンフにこうある。
   <一時座禅すれば、一時の仏なり
     一日座禅すれば、一日の仏なり
      一生座禅すれば、一生の仏なり>、と。
聖一国師の言葉だそうだ。
上の写真は、禅堂。重文である。
<わが国最古最大、中世から遺る唯一の座禅道場>、とパンフにある。

三門。
室町初期の再建。国宝である。
南禅寺の三門も大きい。知恩院の三門も大きい。しかし、東福寺の三門は、それを凌ぐ。

三門へ近づく。
三門の柱の下にいる人と比べれば、その巨大な様がよく分かる。
雨が少し強くなったか。

三門を通した青もみじ。
美しい。

仏殿兼法堂である本堂。
昭和9年に建直されたものだそうだが、堂々たる伽藍。
ドッシリとした重量感、安定感を感じる。

右側に本堂、正面に見えるのは禅堂である。

こちらはこう。
右手に見えるのは、浴室。
<国内最大、東大寺の湯屋に次いで古い浴室(1459年の瓦銘)。蒸し風呂形式>、とパンフ。やはり、重文。

この先は、五社成就宮。

庫裡。
方丈庭園への入口である。

すぐ側では、”京焼サミット”と名づけた展示即売会をやっていた。
しかし、生憎の雨模様。お客の姿は、まばらであった。