奈良小散歩(1) 大仏さま。

「大往生」であれ「昇天」であれ、最後の親父の一連の儀式が終わった後は奈良へ行きたいな、と思っていた。多くの寺がある奈良へ。
しかしこの時季、関西は人でいっぱい。奈良ももちろん。かろうじて、ひと晩だけだが宿が取れた。
大阪難波から奈良まで、近鉄の特急で30分ちょっと。夕刊を読み終わるのとほぼ同じ頃、近鉄奈良へ着き、三条通りのホテルへ入る。
8時ごろ、飲みに出る。そこそこ大きな店に入る。店内、大勢の客で溢れていた。多くの人が奈良へ来ているんだ。以前はこうではなかった。8時前後の三条通りでさえ、薄暗かった。
料理は美味かった。値もそこそこリーズナブル。奈良という町、国内外から押し寄せる人たちに対し、順応しているものとみえる。
このところの奈良、西の京や斑鳩、樫原から明日香などへ行っていた。しかし、たった1日の奈良ではそんな所へは行けない。近鉄奈良から循環バスで10分以内で行ける所へ行くことにした。
まずは暫らく行っていない東大寺へ。

近鉄奈良から循環バスで5〜6分、大仏殿前へ着く。
シカがいる。その先には南大門。

東大寺南大門。
大華厳寺の扁額がかかる。

運慶、快慶の手になる阿形像。

阿、と叫ぶ。

吽形像。

吽。

東大寺ミュージアムがある。平成23年に開館したらしい。「東大寺の歴史と美術」展が催されていた。その展示、昨年のあべのハルカス美術館での開館記念の特別展「東大寺展」とほぼ同じ内容であった。
それよりも、二月堂でのお水取りでの籠松明、このようなものなんだ。

中門の向こうに大仏殿が見える。

大仏殿の前には、八角灯籠。
八角灯籠も、もちろん国宝。

大仏殿へ上がり、お線香を手向ける。
孫娘一家の幸せはじめ、幾つかの願いをこめた。

大仏さま。

大仏さまの前で、青い服を着た男が何か作業をしている。

大仏さまの座っておられる蓮台の周りの蓮弁の毛彫、「蓮華蔵世界図」の原寸模型。

大仏さまへ向って左の≪虚空蔵菩薩≫。

廣目天の前に半袖Tシャツの男がいた。
浅黒い肌。ムキムキの筋肉、スペイン語を話していた。南米から来た男なのか。

柱。

持国天と増長天の頭部。
なぜ頭部のみなのか、謂れはあるのだが省く。

柱くぐり。
60年以上前、私もやった。

大仏さま。

びんずるそんじゃ。
”おびんずるさま”である。
この若いお母さんは、「特に悪いところはないけれど、なでとこうね」、と言って、男の子を抱きあげていた。
悪いところだらけの私は、膝や腰、腹をなぜ、自らの身体に手を当てた。

東大寺金堂・大仏殿の回廊。
法華堂へ向かう。