正月花。

カミさんと一緒になって40年近くとなる。その間、3度引っ越ししているが、いずれも集合住宅。玄関を入ったところもさほど広くはない。

拙宅玄関を入ったところの正月花。
松、千両、水仙。40年近く、ずっとこのような取り合わせであったように思う。
なお、後ろは、焼締めの器に枯れた芥子。
で、「そうだ東博」。
大ぶりな正月花を見に東博へ行った。

東博正門前。
昼すぎ、予想より早く雨が降ってきた。

今年の東博の門松、タテ、ヨコ、やけにまっすぐだ。

構内に入る。
「博物館に初もうで」の案内がある。後ろは、本館の屋根。

今日は時折り強い風が吹いていた。おそらく、それだから、いつもは垂れ下がっている長い垂れ幕は取り外されていた。
本館正面入口左右の松竹梅の門松、どことなくシンプル。

本館大階段正面の踊り場。
大きな正月花が飾られている。

少し近づく。

少し右から。

下の方に、紅い椿が1〜2輪。

”いけばなの源 池坊”、と記されている。池坊が、我が国生け花の祖なんだ。
今年の東博正月花の作者は、このお二人。一昨年の正月花の作者と同じである。一昨年に比べ、スタティックな感を受けた。 

正月の東博、時折りこの書を出してくる。
慈雲(1718〜1804年)の一行書 「松」、「竹」、「梅」。紙本墨書。大阪・高貴寺。
<この三幅対は、松竹梅を禅の境地に結び付けて書いたもの>、と説明書きにある。何年か前にも記したことがあるが、今一度記そう。こういうことである。
   松 臨済之門標
   竹 香巌之箒跡
   梅 窓外之幽致
東博の正月花、松竹梅、このようなバックグラウンドを持っているのかもしれない。