日本国宝展。

4〜5年に一度、国宝展が催される。

東博正面入口横の看板前、いつも通りのバイクとチャリンコ。

日本国宝展、その国宝を一気に約120件。

<祈り、信じる力>。

国宝の土偶5体が勢ぞろいした。
これは≪合掌土偶≫。青森県八戸の出土。
縄文時代後期、前2000年ー前1000年。

法隆寺の≪玉虫厨子≫。
飛鳥時代、7世紀。法隆寺へ行く度に見ているが、明るい場で見た今回、ことの他美しく思えた。

来迎図の傑作のひとつ、≪阿弥陀聖衆来迎図≫。
平安時代、13世紀。

雪舟等楊筆≪秋冬山水図≫。ニ幅の内、冬景。
室町時代、15世紀末ー16世紀初。

≪黄色地鳳凰瑞雲霞紋様紅型紋紗衣装≫(琉球王国尚家関係資料)。
第二尚氏時代、18−19世紀。
なお、同時開催の「東アジアの華 陶磁名品展」が、なかなかよかった。
日本、中国、韓国の国立博物館による初の国際合同企画展。日中韓、何も角突きあわせなくとも、やればやれるじゃん。

東博、この時季、秋の庭園解放も行なわれていた。
この向こう、まだ色づいていない。

全体にまだ早いんだ。

本館から平成館へのジャンクション。
ここは紅葉にまだ早かろうが何であろうが、さまになる。

私の好きな本館前のユリノキは、この時季、ほどよく色づいていた。


アメリカとキューバが仲直りするらしい。
肩肘を張るのは、お互いに得策じゃないことにやっと気がついたようだ。オバマとラウル・カストロの決断の模様。
ラウルの兄貴のフィデルや泉界にあるチェはどう思っているのか。二人の考えも聴きたいものだ。


ところで、酔っぱらうと忘れることが多くなるものだ。
昨日、晩く帰ってきた後ブログを書いた。衆院選の後、老醜をさらしていた石原慎太郎が政界引退を表明したのでそのことにも触れよう、と思っていた。が、コロッと忘れてしまった。
当時最年少で芥川賞を取り、『ヨットと少年』、『乾いた花』、『ファンキー・ジャンプ』といった瑞々しい作品を書き、20代半ばで江藤淳、浅利慶太、大江健三郎、寺山修司などと「若い日本の会」を作った慎太郎。昭和の大スターとなった弟の裕次郎よりも、その男振りは遥かに勝っていた慎太郎。
実はあのことを書こう、と思っていたんだ。あのことって、三島由紀夫との対談でのことなんだ。
三島由紀夫が慎太郎に「お前は何を守っているんだ?」と訊く。慎太郎、こう答える。「ぼくはやはり自分で守るべきものは、あるいは社会が守らなければならないのは、自由だと思いますね」、と。話は進み、慎太郎、三島由紀夫に守るべきものを問い返す。三島、こう答える。
三島 「最後に守るものは何だろうというと、三種の神器しかなくなっちゃうんだ」。
石原 「三種の神器って何ですか」。
三島 「宮中三殿だよ」。
石原 「またそんなことを言う」。
三島由紀夫著『尚武のこころ 三島由紀夫対談集』にある。この対談、昭和44年に行なわれている。
”またそんなことを言う”って慎太郎だったんだ。瑞々しい言動だ。それが変わった。顔貌が変わったのは、歳を取ったのだから仕方がない。しかし、頭の中も変わった。老醜の中にあった。青嵐会を結成したあたりがピークではなかったか。
遅きに失したが、慎太郎の引退、よきことである。本人にとっても。