青もみじ巡り(4) 東塔。

朝食を食べた後部屋へ戻り、暫らく横になっていた。
9時すぎ、外へ出る。
比叡山延暦寺は広い。
<延暦寺は一つの寺ではあるが、実際には東塔(とうどう)、西塔(さいとう)、横川(よかわ)の三つのエリアに分かれていて、「三塔」と呼ばれる。その三塔がさらに十六谷に分かれていて、「三塔十六谷」とも呼ばれるらしい>。
その著『百寺巡礼 第四巻 滋賀・東海』(2004年 講談社刊)の中で、五木寛之はこう記す。周囲約100キロメートルが延暦寺である、とも。

こういう標識があった。
まずは東塔を歩く。
最初に早朝のお勤めに参加した根本中堂へ行き、お守りを求める。孫娘の為とあとひとつ。

石楠花が咲いている。
このアングル、叡山ではしばしば出てくるアングルである。

大講堂へ向かう途中。
見えてきたのは鐘楼。

一打50円。
私も撞いた。
幾つかのことを念じて。
グワァーン、とても大きな音だった。

その先には大講堂がある。

大講堂、こういうもの。

大講堂の正面には、こう記されている。
<内陣に本尊佛の外、桓武天皇、聖徳太子、天台、傳教両祖師及び智証、法然、親鸞、栄西、道元、日蓮、一遍、真盛等各宗祖師像を祀る>、と。
常に、何度も出てくる。比叡山、日本仏教の母山なんだ。

小さな桜木である。花をつけている。
古木の風格があった。恐らく、幾多の風雪に鍛えられたものであろう。

このようなお堂も。

戒壇院である。

もちろん、何度も焼失している。信長には、何ひとつ残らず焼き尽くされたし。
現在の建物は、延宝6年(1678年)に建造されたもの。

正面中央には両開きの桟唐戸、その両脇には釣鐘形の火灯窓がくり抜かれている。
美しい。

より近づく。
永年の風雨、風雪に晒されたその色調、得も言えぬ美しさ。
それ以外、何と言う。言葉がない。