青もみじ巡り(14) 東塔へ戻る。

浄土院から西塔のバス停の方へ戻る。

京都一周トレイルのところへくると、5〜6人の一団がササッと細い道へ下りていった。
明らかに観光客や参拝の人とは違う。その姿かたち、山歩きの連中である。

彼ら、速い。
アッという間に、下の方へ消えていった。

西塔のバス停のところへ戻る。比叡山さくら祭りが開かれている。
抽選をどうぞ、と言われガラガラを廻すもはずれ。
座って、抹茶セットを頼む。久しぶりでさくら餅を食った。旨かった。

山上である故か、案外丈の低い桜木が見うけられる。

バス停の周りの桜木。

赤が強い桜花や白い桜花が混じる。一重と八重も。
後ろの大きな杉は、弁慶杉。

近寄ると、こういうタテ看がある。
傳教大師最澄や慈覚大師円仁が、比叡山の表のスーパースターであるならば、義経と出会う前の武蔵坊弁慶、叡山を裏で支えるトリックスターである。

可愛い青もみじ。

バス道の横には、白い桜花と青もみじ。

西塔からバスで3分、東塔へ戻ってくる。
東塔エリア、比叡山延暦寺の中心である。半径、歩いて5〜6分か6〜7分の間に堂塔が固まっている。
宿へ戻る。

根本中堂の側を通り、

写経所の前を通り、

文珠楼の下を通り、

大書院の前を通り、

延暦寺会館へ。
「道心」の文字が迎えてくれる。

窓外には、琵琶湖が見える。
時間は、まだ4時前、写経所へ行こうかな、と思うも、怠惰な心がそれを打ち消す。
結局、写経はパスし、風呂へ行き、部屋へ戻った後はビールを飲んでいた。

6時半ごろ食堂へ。
野菜の天麩羅が茄子の田楽になっていたり、鍋がうどんであったり、その他幾つかの異なる点はあるが、精進料理は精進料理、前日のものと基本的には同じである。旨いとは思えない。半分も食えなかった。
部屋へ戻り自販機で買った酒を飲んでいた。

9時のNHKにこういう映像が現われた。
NHKスペシャル、「女性たちの貧困 〜”新たな連鎖”の衝撃〜」。
日本の現実の一端が、ここにある。国谷裕子の顔も歪んでいる。

若い女性の様なんだ。貧困の連鎖である。精進料理を半分も食べられない私には、どいこう言う資格はないが、そうは言ってもだ。
この19歳の女性は、時給が少しでも高いから、と朝の5時からコンビニで働いている。それでも収入は、さしたるものではない。将来への希望もない。
私ごときがどうこう言えることではないが、これは国の問題であろう。行政の問題である。そのトップである内閣総理大臣の問題だ。つまり、安倍晋三の問題だ。
安倍晋三、立憲主義をないがしろにし、解釈改憲にしゃかりきになっているが、すぐ目の前のこういう問題にも目を配るべきである。決して軽くはない。重い問題である。