高野・熊野・伊勢巡り(6) 霊宝館そして高野山大学の学生。

金剛峯寺を出た後、霊宝館へ。

すぐに、この看板。

こちらの方が趣きがあるな。

霊宝館、大正10年(1921)に開館した、という。
入館チケットの裏面に記載されているところによれば、平成25年(2013年)現在、国宝21件、重要文化財148件を含む約5万点を数える収蔵品があるそうだ。

霊宝館の入口。

この日の朝、雨宿りをしていたニの橋の観光案内所に貼ってあったポスター。
霊宝館の現在の企画展は、「徳川家と高野山」というもの。
しかし、私は常設展の方が楽しみである。

内部の写真は許されていない。霊宝館のパンフレットから複写する。
いずれも重文の三像、下の文字、何とかお読みになれるのでは。

霊宝館を出る。
向う側、目の先の方、中央下のやや左側、道の左に何やら立っている男が見てとれる。

少し近づく。
雨は小ぶりとなっている。その中に若い男が立っている。近寄り、訊くと、高野山大学の学生である。

少し先、霊宝館付属の迎賓館で、「秋の茶会と書道展」を行なっている、という。是非にお出でを、とのこと。
若者好きの私に、否やはない。
霊宝館付属の迎賓館へ向かう。

中では、高野山大学茶道部の学生がお茶を立てている。
すぐ横には、外国人の若い男女がいる。その横の学生、しきりに彼らに対し、つっかえつっかえの英語で説明をしている。頑張れ学生、と応援したくなる。
私もお抹茶をいただいた。

こちらは、高野山大学書道部の学生の展示。
書道部の学生が説明をしてくれる。
皆さん、丸ぼうず、坊主頭なんだ。とても気持ちがいい。
私、毎週、近所の大学へ通っている。そこの学生たち、多くは新宿の駅前にたむろしている若い連中と同じようなもの。丸ぼうず頭の連中などいない。
それが、どうこうということではない。しかし、丸ぼうずの若い人たち、やはり気持ちいいんだ、な。

カメラの中、大分雨が入っているようだ。

私について、さまざま説明してくれていた学生に、貴方の作品はどれだ、と訊ねた。
これであった。
篆書である。
密教学科一回生・長葭勇生君の作品。
彼に、「貴方は楷書や行草書は書かないのか」、と訊いた。彼の応えはこう。「楷書も行書も草書も、もちろん書きます。でも暫らくは、幅を広げるため、篆書に挑もうか、と考えています」、とのこと。
いいなー。清々しいよ。
彼に限らず、高野山大学の丸ぼうずの学生の皆さん、とても気持ちのいい若者であった。
お寺さんやその親戚の息子であったり、娘であったり、真言宗のお寺がらみの若者が多かったが、ホント、とても気持ちのいい若者たちであった。

ここを出、少し左の方へ歩き、右へ折れると、壇上伽藍へ出る。