高野・熊野・伊勢巡り(2) 高野山宿坊(続き)。

「朝7時から御勤めがありますので、よろしければ」、と夕食の後言われていた。
「起きられるかどうか」、と言ったら、「その前に大きな鐘の音がしますから」、と言うことであった。何とか起きられた。少し遅れたが、本堂へ行った。

本堂内陣にはお坊さんが6〜7人、般若心経が唱えられていた。
外側には、前夜風呂で会った少し年嵩のお坊さん。途中、いろいろ説明してくれる。
ところが、勤行へ参加していたのは、私を含めたった4人。中年の男と外国人の中年男女のみであった。勤行の後、本尊へお祈りをした後、左の手首に厄除けの金剛線をつけてくれる。
金剛線、3年前にチェンマイのお寺でつけてもらったことがある。その時には、1年半ばかりついていた。高野山の宿坊での金剛線は、チェンマイのお寺のものよりもしっかりとしている。1年半では切れないであろう。2〜3年は持ちそうだ。

勤行が終わると、すぐに朝食の場へ案内される。朝食は大広間でまとまってとるようだ。
朝食の膳。
箸袋には、”御加持箸”と記されている。”御加持”ということ、”仏の加護”、”仏の慈悲”といったようなことであろう。

朝食には、7人が来ていた。勤行へ参加していた4人の他に3人。中年の女性2人組みと、ヘッドギアのようなものを付けた外国人の若い男。
前夜、「今日はお客が少ないので」、と言っていたが、泊まった客は7人だけだったようだ。
その部屋の床の間には、こういうものが。

「寺寶 木彫乃虎 左甚五郎作」、とある。
左甚五郎作の虎、黒光りしていた。

長押には、このような吉祥寶来が。

食事の後、部屋に戻り、6畳の部屋の障子を少し開けてみる。
外、昨夜来の雨が降っている。

8畳の間の障子も少し開ける。
外の模様、とても風情がある。

こちらも。
さほどの雨ではないが、細かい雨が降っている。それを部屋の中から眺めている。さほどの音もない。
気持ちが安らぐ。
1時間近く、部屋の外の細かい雨を眺めていた。9時すぎ、外へ出る。

仁王門の下から宿坊の方を見る。
前夜貰った赤松院のパンフレット中の「赤松院略縁起」によれば、<当院は延長元年(923年)平安中期聖快阿闍梨の創立で・・・・・。・・・・・>、と記されている。古いんだ。

夜にはボーと霞んでいたが、朝の仁王門。
高野山のマスコットキャラクター・”こうやくん”も、笑顔をふりまき立っている。