MOT遊び(2) 神様と王様。

<いまや世界的な文化として成長したマンガ。その地位が確立したのは、マンガの可能性を大きく広げた”マンガの神様”手塚治虫と、それに呼応しマンガを育て上げていった”マンガの王様”石ノ森章太郎の存在があったからです>、と「手塚治虫×石ノ森章太郎 マンガのちから」特別展のチラシにはある。

フランシス・アリスとは異なり、こちらの方は人が入っていた。

8月下旬、夏休み中ということもあり子供たちも多く。

それ以上に驚くのは、大人の来場者たち。
数も多いが、思いつめたような表情をしている人が多い。皆さん、展示品を凝視している。
「手塚治虫×石ノ森章太郎 マンガのちから」展の入口。
実は私、漫画とかマンガとかのことについては、ほとんど知らない。所謂マンガ世代より少し前、と思っているが、遅れていたのかもしれないな、とも思う。いずれにしろ、よくは知らないんだ。手塚治虫や石ノ森章太郎が何たる者か程度は知っているが。
会場内、美術館の展示というより、博物館のそれのようであった。
デッサン、原画、原稿、初出誌、その他のもの、あたかも学術資料の如く展示されている。記憶が不確かであるが、手塚治虫の作品を伝えるのに、「生命」、「自然」、「宗教」、「戦争」、・・・・・、というタイトルが立っているコーナーがある。
手塚治虫のマンガ、深い思考、考察に基づいたものなんだぞ、お前、解かっているだろうな、と言われている感じがする。だから、展示物を見落とすまいと目を凝らす皆さん、顔が引きつる。
やはり、神様であり、王様なんだ。
だからか、もちろん、中は撮影禁止。ただ二か所を除き。虚空間をお伝えしようにも術がない。

その”撮影OK! パシャ、パシャ”の一か所。

復元されたトキワ荘。
手塚治虫が、石ノ森章太郎が、藤子不二雄の2人組が、赤塚不二夫が、その他多くの漫画家が住んだトキワ荘。椎名町5丁目2253番地。

トキワ荘の各部屋は四畳半。部屋の窓。その趣き、”らしい”、ね。

もう一か所の”撮影OK! パシャ、パシャ”、の案内。下の方に、”ももいろクローバーZ”、とある。

こういうことだが、どういうことなんだろうね。何とも解からない。

MOTのコンコースにこれが立っていた。
鉄腕アトムとサイボーグ009。

こちらには、こういうものも。

漫画家ばかりじゃなく、さまざまな人からの手塚治虫と石ノ森章太郎へのオマージュもあった。
マンガの神様と王様、どうも、強烈なパワーとメッセージを今に残しているようだ。