MOT遊び(1) フランシス・アリス。

5月にフランシス・アリスについて記した。第1期のメキシコ編のことを。
この夏、第2期のジブラルタル海峡編が催された。会場は、やはりMOT・東京都現代美術館。

MOTの企画展、いつも二つか三つ重ねて催されている。
この夏は、この三つ。

先ずはフランシス・アリス展から観る。

パート2は、ジブラルタル海峡編。

ジブラルタル海峡、モロッコ側のタンジェとスペイン側のタリファの間が、点線で結ばれている。
モロッコへは行っているが、タンジェへは行っていない。ヨーロッパ側、ジブラルタルの近くへは行ったが、直接その海峡は見ていない。
フランシス・アリス、この間を問題にしているようだ。アフリカとヨーロッパの間の僅かな距離の海峡を。
アフリカとヨーロッパの間、何がある。
さまざまな多くの問題がある。格差の問題から派生する移民問題がある。
フランシス・アリス、映像、写真、絵画、ドローイング、彫刻、その他多様な表現を用いて、それに向かっているようでもある。
しかし、何じゃこれって思う人が多い。
メキシコ編の時も、どうも、とても不評。だから、この夏のジブラルタル海峡編に入っている人も、とても少なかった。

渡り廊下にあった閲覧用の図録。
通常、会場内の展覧会の図録は、次々に見られているものだが、ここではまったく見られていない。入場者が少ないんだ。
で、その図録を写させてもらった。

ジブラルタル海峡を渡っているのかな、と思った。
そうじゃなかった。
フロリダのキーウェストと、キューバのハバナの間を跨いでいるようだ。

不思議な絵だ。
キーウェストとハバナの間を歩いているのかな。

これが、いよいよ出てきたジブラルタル海峡である。

フランシス・アリス、ジブラルタル海峡2008年8月12日のイヴェント。
<ヨーロッパを発してモロッコ方面へ進む子どもの列と、アフリカを出発してスペイン方面へ向かう子どもの列。その二つの列は水平線の上で想像上の出会いをなし遂げるだろうか?>、とある。

こうして双方から海に入っている。

何じゃこれって不人気のフランシス・アリス展、私には面白い。
このようなドローイングが、とても。


ボー・グエン・ザップが死んだ。102歳。
ハノイの自邸にマクナマラを招いた時のことが思い出される。
あと残る半世紀前のカリスマは、フィデル・カストロのみとなった。