(中秋+1)の名月。

昨日中秋、旧暦8月15日。しかも、この日、何年ぶりかの満月、文字通りの中秋の名月。近場のどこかで月の写真を撮ろうか、と思ったが、つい面倒になり、やめた。
今日、所用あり外へ出た。帰途、秋葉原のヨドバシカメラでプリンターのインクを買い、ついでに、近場の焼き鳥屋で一杯やった。9時過ぎ、駅の方へ歩くと、オッ、月が出ている。
昨日が中秋の名月、しかも、満月。今日は、十六夜の月となる。(中秋+1)の月だ。中秋から1日経っているので、名月といえるのかどうかは、知らない。しかし、丸い月、名月、と言ってもいいだろう。

秋葉原駅の高架線と、ヨドバシカメラのビルの間に見えた今宵の月。(中秋+1)の名月。

久しぶりであちこちフラフラしたので、少し疲れた。コーヒー屋で少し休んだ。その前の街路樹の間からも、丸い月が見えた。
貞享3年(1686年)の旧暦8月15日、つまり、325年前の昨日、芭蕉は、中秋の名月を愛でる月見の宴を催している。深川の芭蕉庵で。その場で、この句を詠む。
     名月や池をめぐりて夜もすがら     芭蕉
325年前の昨日、芭蕉は、門弟連中と共に、夜通し月を愛でていたようだ。

昨日が、望月、十五夜だ。丸くは見えるが、今宵は、月齢がひとつ増えて、十六夜だ。だから、(中秋プラス1)、と考えた。
しかし、月齢は増えたが、月の姿は、厳密に言えば、ひとつ分欠けていることになる。その場合は、(中秋の名月マイナス1)、ということになる。プラスじゃなくて。どうとも取れるな。
     名月やプラマイいずれ今宵月     流山子
酔った勢い、どさくさまぎれに、俳聖と同列に記してしまった。しかし、プラスにしろマイナスにしろ、名月であることに変わりはない。だから、許してちょうだい、ね。