若冲の月。

昨日の夜、短時間外へ出た。日中よりは温度も下がっている。月が出ていた。丸い月。

オッ、満月か。そう思った。

街路樹の間を通して見る月、少し足りないかな。そうも思った。
実は、今日の月が望月・満月。正確には、午後3時過ぎの月が。しかし、それでもいい。この月も、まあ満月だ。若冲の月を思った。
伊藤若冲、今、皇居三の丸尚蔵館にある、華麗な色づかいの「動植綵絵」で知られる。30幅に渉る素晴らしい彩色画だ。しかし、若冲、その水墨画も素晴らしい。月も描いている。ふた月ほど前、NHKで取りあげた若冲の番組から、若冲の月を載せよう。

鹿苑寺(金閣寺)大書院、三の間の障壁画に、それは描かれている。「月夜芭蕉図」に。

芭蕉の葉を通して見る月。望月であろう。頃は、今よりはもう少し後であろうか。
オッ、この日も東北で地震があったようだ。実は、今日も関東ではやや大きな地震があった。茨城県南部を震源とする地震が。私のところでは、震度4であった。震源地が近い故か、いきなりズシンときた。それはともかく、

こうして見ると、やはり、望月・満月だ。それにしても、若冲、凄い絵描きだな。
二百数十年前、若冲が見た月と、昨日、私が見た月、同じ月だ。何の不思議はない。だが、何故か不思議な感じも覚える。若冲の成せる技でもあるのだろう。おそらく、そうに違いない。