土俵人生。

終わってみれば”やっぱりな”、という結果となった。
ふた場所ぶりの相撲ブログとなる。先場所も見ていなかったわけではないが、何となく触れることなく過ぎてしまった。
十両に落ちた後、幕へ戻ることなく十両で取っていた高見盛が何場所か前に引退し、先場所は、元大関ながら十両で取っていた雅山も引退した。
実は、豊真将が十両の尻尾にいることが気になっていた。怪我で全休が2場所続いた。今場所ヘタをしたら幕下へ落ちる。好漢豊真将、幕下でなんて取らせたくない。豊真将、今日も勝ち、9番を挙げた。よかった。

今日の土俵、勝ち名乗りを受ける豊真将。
右手を右前方へ伸ばすキレイな所作は変わらない。
豊真将、32歳。土俵人生の終盤を迎えつつあるのかもしれない。でも、あと一度、幕へ戻してやりたい。

三役以上の力士を従え、理事長・北の湖の協会ご挨拶。

白鵬と稀勢の里。
昨日の全勝対決は白鵬が制したが、優勝の行方は、今日千秋楽まで持ち越された。

今場所の各段優勝力士。

一番の話題は、幕下優勝の大砂嵐。7戦全勝。来場所の十両昇進間違いない。
エジプト出身の21歳。189センチ、145キロと体格もいい。幕へ入るのも、そう時間はかからないのじゃないか、と思われる。
なお、序二段優勝は、先場所序の口で優勝した石浦。宮城野部屋の23歳。白鵬の内弟子だそうである。

序の口優勝は、新栄山。
日体大出の25歳。左膝の怪我で休場続き、番付外となっていた。確か1年半ぶりの土俵。彼の土俵人生、巻き返せるか。

実は今場所の各段、優勝決定戦のない場所であった。とても珍しい。
上は、先場所の各段優勝力士である。
実は先場所、十両以下各段で優勝決定戦が行われた。これも珍しい、というくらい多く。

中で、特筆すべきはこれ、序二段の優勝決定戦であった。同星で並んだ力士が9人いた。
このように9人から5人にし、最後に3人の巴戦に持っていった。上の写真は、9人から5人に絞られた後の土俵下でのくじ引きの模様である。
元十両という力士もいたが、中に、13年前に序二段で優勝しているという力士がいた。これには感動した。恐らく30歳を超えているであろう。
相撲の世界、十両以上は給料が出るが、幕下以下は給料ゼロ、という世界である。多少の小遣い銭が与えられるのみ。そこで30過ぎても相撲を取っているこの力士、彼の相撲人生を思い、胸にジンときた。

先場所の序二段優勝は、この力士・鬼怒ノ浪。
将来を感じさせる相撲を取っていた。

今場所千秋楽、幕内土俵入りの場面。顔が見えている5人の力士に注目していただきたい。
右端の方、土俵に上がっているのは妙義龍。その後ろ、これから土俵へ上がろうとしているのは、小結・栃煌山。その後ろは、関脇・豪栄道。栃煌山と豪栄道、次の大関候補と言われるが、共に負け越し。大関など、まだまだはやい。
その後ろは、琴欧洲。今日勝ち、何とかカド番を凌いだが、8勝どまり、大関として情けない星である。衰えたな、琴欧洲。
白鵬と琴欧洲、共に将来の横綱、と言われていた。朝青龍全盛の7〜8年前のことである。大関への昇進は、琴欧洲が平成18年1月場所。白鵬の大関昇進は、その2場所後の平成18年5月場所。しかし、それから両者の間には大きな差がついた。白鵬は大横綱への道を歩み、琴欧洲は四苦八苦の土俵を続けている。
最後の稀勢の里、今場所は盛り上げた。でも、昨日、今日、負けた。栃東以来の日本人力士の優勝の夢は潰えた。

白鵬の土俵入り。
後ろは、今場所中で65歳の定年を迎えた立行司・36代木村庄之助。

今日の琴奨菊との一番、稀勢の里、完敗であった。
稀勢の里、まだ甘い。
しかし、稀勢の里よりも甘い男がいる。日本相撲協会理事長の北の湖である。
北の湖、今日、こんなことを言っている。稀勢の里の横綱昇進について。来場所の成績次第、と。昨日は、13勝か14勝では大いに異なる、と言っていたのだが。かりに来場所、稀勢の里が優勝しても、横綱にすべきではなかろう。2場所連続優勝で横綱となった日馬富士も苦しんでいる。稀勢の里など、尚更のことである。
北の湖、大甘にしてはいけない。

定年を迎えた立行司・36代木村庄之助、最後の土俵を務め土俵を去る。
中学を出た後角界に入り49年になる、という。相撲人生、力士ばかりじゃない。

全勝で優勝を決めた後の白鵬。表彰式の前に、髷を結い直している。
白鵬、その全盛期は過ぎたな、と私は思っている。
それにして、ふた場所続けての全勝優勝、稀勢の里以下の力士、どうするんだ、この状況を。
それにしても、さまざまな相撲人生、土俵人生がある。