大相撲グローバル化の一歩となるか。

今日、初場所千秋楽、琴奨菊が優勝した。
11日目に琴奨菊が白鵬を破った。
それ以来、栃東以来10年ぶりの日本生まれ力士の優勝だ、との声が大きくなった。何年か前、日本に帰化した旭天鵬が優勝して以来、「日本人力士の」という言葉が「日本生まれの」という言葉に変わった。いやな言葉だな、という感を抱いていた。
琴奨菊の優勝は嬉しい。しかし、10年ぶり10年ぶり、日本生まれ日本生まれ、の連呼には少し違和感を持つ。

今日の土俵、これより三役、東側。

これより三役、西側。
土俵上には白鵬、稀勢の里、豪栄道。その左には、琴奨菊、鶴竜、日馬富士。

大関対決と言えど、この成績。琴奨菊、勝てば優勝。

NHK、このようなニュース速報を流す。

八角理事長、琴奨菊へ賜杯を。

土俵下での優勝インタビュー。
琴奨菊、こう語る。
「つらい時や結果を残せない時も、多くの方々に応援していただいて、師匠の教えにも、家族にも、また若い衆にも」、と。そして、「嬉しい」、と。
琴奨菊、とてもナイーブ、いいヤツだ、ということが伝わる。

その若い衆は、右の方にいる。
白い着物を着ている付き人は、いつも琴奨菊が出を待つ間、足のストレッチをしている若い衆。

琴奨菊が優勝を決めた後の花道には豊ノ島が待っていた。
豊ノ島、今場所唯一敗れた相手である。
豊ノ島、「よかったね」、と言ったそうだ。
この二人、中学生以来、いや小学生時代から知っている、というライバルである。入門も同期。
13日目に取り組みが組まれた。


琴奨菊は全勝。豊ノ島は2敗であるが、まだ優勝の可能性はある。

豊ノ島、とったりで勝つ。

残り二日、どうなるか。
今日、優勝を決めた後の琴奨菊、こう語る。「豊ノ島がいたから」、と。

中日の琴奨菊と稀勢の里の一番。

蹲踞。

立会い。

琴奨菊、左差し、寄り切る。

今場所のすべては、11日目であった。
琴奨菊と白鵬の全勝対決であった。
琴奨菊、白鵬戦を制した。
来場所、綱取りの場所となる。

そうは言っても、白鵬との対戦成績はこのようなもの。
10回に1回勝てるかどうか。

が、琴奨菊、白鵬をも下した。
このところの白鵬、どこかおかしい。ヘンである。9日目の豪栄道戦の手を出した立会いも、昨日の稀勢の里戦のフワッとした立ち合いも、とてもヘン。
白鵬、2010年(平成22年)7月場所、野球賭博問題で相撲協会が揺れた後、『相撲よ!』(角川書店刊)という書を上梓している。口述書であるが、面白い。
双葉山への言及が幾つもある。白鵬、ある時期までは、双葉山に次ぐ二代目角聖を狙っていた。今はどうか。
解らない。白鵬のここ暫らくの行いを見ていると、白鵬の心の中がよく解らない。
おそらく「日本生まれ」力士の優勝といったことと繋がりがあるのだろう、と思われて仕方ない。白鵬の来し方、一代年寄に十分値する。一代年寄を与えるべきである。
しかし、白鵬、いまだにモンゴル国籍である。今のままでは、相撲協会に留まれない。というのが、日本相撲協会の公式発表。
おかしいよ。
選手であれ監督であれ、日本へ来た選手や指導者は、日本の選手や指導者と認めなきゃ。
大相撲、試金石の第一歩。
この機会に大相撲もグローバル化しなくっちゃ。



ラグビー・トップリーグの決勝戦が秩父宮で行われた。
3連覇を狙うパナソニックと東芝。リーグ戦では引き分けている。共にジャパン代表を5人ずつ持つ。
痺れるような試合展開、パナソニックが1点差で勝った。
パナソニックの監督、英語で喜びを話す。パナソニックの監督、外国人なんだ。大相撲もグローバル化しなくっちゃ。
まずは、白鵬の処遇である。
白鵬、モンゴル国籍を捨てることはないであろう。
しかし、白鵬には一代年寄を与えるべきである。日本人ではなくモンゴル人である白鵬でも。
10年ぶりの日本生まれの力士である琴奨菊の優勝、それを機会に大相撲のグローバル化を考える。