SAVAGES / 野蛮なやつら。

ハードパンチャー・オリバー・ストーンの最新作である。クライム・ムービーである。オリバー・ストーン、腕っ節の強いところを見せてくれるだろう。撃ち合いがある。殺し合いがある。拷問も爆破もある。まったくもって、野蛮なやつらが出てくる。
カリフォルニアの高級リゾート、ラグーナ・ビーチの豪邸に、3人の若者が住んでいる。男2人に女1人。男の一人は元傭兵のチョン、あと一人は植物学者のベン。小さなころからの親友である。彼ら2人共通の恋人はオフィーリア、通称”O(オー)”。
いわゆる三角関係である。でも、この3人の間、とても平穏なんだ。問題など、なにひとつない。
男2人はベンチャー企業を成功させた。チョンがアフガンから持ち帰った大麻の種を、植物学者のベンが高品質の製品に仕上げ、多くの顧客を獲得している。金がじゃんじゃん入ってくる。心優しいベンは、その金でアフリカやアジアの発展途上国を救済する慈善組織を立ち上げている。
そこへ、メキシコの巨大な麻薬カルテルから業務提携の話が持ちこまれる。「ビジネスパートナーとして」なんて言って来ているが、とてもヤバイ。
身を隠そう。しかし、メキシコのカルテル逃さない。2人の共通の恋人・”O”を拉致する。チョンとベンの2人に火がつく。

「野蛮の限りを尽くしても、最愛の女は取り戻す」、野蛮には野蛮で対抗する。一歩も引かない。
ところで、この作品、一筋縄ではいかない。単なるドンパチの殺し合いではない。
新興ベンチャー企業と既存の大企業という側面もある。また、麻薬がらみの状況であれ。世代の問題もある。チョンとベンと”O”の3人は若い世代。メキシコの麻薬カルテルの面々は年配者である。ボスは女性、溺愛している娘はアメリカの大学へ行っている。冷酷無比な麻薬カルテルのボスである顔と母親である顔、共に持つ。


上は、元傭兵のチョン。アフガンから高品質の大麻の種を持ってきた男である。武闘派、テイラー・キッチュが扮している。一昨日記したネイビーシールズに属していた、との情報もあるが、その真偽は不明。いずれにしろ濃い男。
下の男は、メキシコの麻薬組織・バハ・カルテルの若頭格のラド。扮しているのは、ベニチオ・デル・トロ。この男も濃い。
共に、バンバン殺し合う。両者共に濃いものなー。

メキシコと言えば、”カラベラ”である。
”カラベラ”、ガイコツである。これは、メキシコの麻薬組織・バハ・カルテルの車に付いていたカラベラ。

プロレスのルチャリブレのマスクを付けたチョン。これもカラベラ。
映画の最終場面では、こんなことありなのか、というサプライズがある。そんな、と言う。
オリバー・ストーン、力技ばかりでなくヒネリも見せた。