尊厳の芸術。

昨年末に積み残した展覧会、これだけは積み残しちゃいけない、というものをあと一つだけ触れる。
昨年・2012年、「日中国交正常化40周年」であり、「日印国交樹立60周年」の年でもあったが、日系アメリカ人の強制収容から70年の節目の年でもあった。
日米開戦により、日系米国人は厳しい状況に晒された。その数12万人。

「The Art of Gaman」、元はといえばワシントンのスミソニアン美術館レンウィック・ギャラリーで開催されたものだそうだ。
”Gaman”は、”我慢”なんであろう。

上野の芸大で開催された。

芸大美術館の前の看板。

多くの人が来ている。
天皇皇后も来られた。
先の大戦がらみの催しである。昭和天皇のやり残したことは自らの務め、と思われている天皇皇后、足を運ばれた。日系米国人の思いを受けとめられた。

「マンザナー収容所の砂嵐」とキャプションにある。

強制収容所、西海岸近くのあちこちに作られた。
赤▲は、戦時転住局管轄強制収容所(転住センター)。★印は、司法省管轄強制収容所。

「収容所の風景」 作者不詳。木、ペンキ。

「椅子」。ミッツ カイダ。くずの木材、釘。

「そろばん」。16歳のショウヤ サカザキが、くずの木材で自分用に作った。

「パズル」。カメタロウ マツモト 木、くずの木材。

「蛇」。タキゾウ オバタ メスキートの木、硬質木材、針金。

その頭。
面白い。
美術の専門家もいるが、それはごく稀。ほとんどの人は、ごく普通の人である。そのような人たちがさまざまなものを生みだしていった。
今日はここまで、明日に続ける。