平和祈念展示資料館。
8月22日、NHKでおざわゆきの『凍りの掌』を基としたマンガとドラマのコラボが流され、そのことを記した。「お父さんと私の”シベリア抑留”」。
その折り、死んだ親父が残した『シベリア抑留 スケッチ集』のことも合わせ記した。最後に、私が持っていても仕方ない。暑さが去り涼しくなったら新宿住友ビルに入る「平和祈念展示資料館」へ寄贈しよう、とも記した。
10月下旬、新宿へ行き、新宿住友ビルへ行った。
地下鉄大江戸線の都庁前で降り住友の三角ビルへ行くが、三角ビルへ入るのは久しぶり、上へ上がるエレベーターへ着くまでにあちこち迷ってしまった。田舎者になったな、との思いを強くした。
平和祈念展示資料館、新宿住友三角ビルの33階にある。総務省委託の国の施設。
受付の女性に「資料を寄贈したい」と話すと、「少しお待ちください」と言う。暫らくすると、「学芸員です」という中年の男性が現れた。「学芸員 田中晴久」と記された名刺を頂戴する。
「どのような資料でしょうか?」との問いに、持って行ったこれを渡す。
満蒙引揚文化人聯盟発行の『シベリヤ抑留 スケッチ集』。昭和23年発行で70年以上経っているものなので、ずいぶん汚れている。
平和祈念展示資料館、資料、文献の収蔵も多く持つが、ネットで検索した限り、この書は収蔵されていない。
学芸員の田中さん、「どうぞ、こちらへおいでください」と言い、ドアを2つ3つ通り過ぎた部屋へ案内される。田中さん、「少しお待ちください」といい、私が持って行ったスケッチ集を持って引きこむ。暫く経って戻ってきて、「調べましたが、この書はここにはないものでした。ありがとうございます」と話す。
その後、何故この資料を私が持っているのか、との問いをはじめ幾つものことを訊かれる
。60年近く前に死んだ親父が残したもの。お父さんは何をしていたのか。親父は物書きであったが満州の新京で出版業も行っていた。おそらく国策に沿った出版も行っていたのだろう、と。終戦時、ソ連が侵攻してきた時には新京から大連へ逃げていたらしい、とも。親父は私が小学校へ入った後で引き揚げてきた、とも。満州から引揚げた檀一雄や森繁久彌らの満州文化人のことも。田中さん、さまざまメモを取っていた。
文字通りの小冊子であるが、平和祈念展示資料館の学芸員・田中さん、とても喜んでくれた。私も気持ちよかった。
その後田中さん、展示もご覧になりますか、と言う。
九段の「昭和館」へは行ったことがある。が、新宿のここへは初めて。もちろんです、と答える。
平和祈念展示資料館の展示、「兵士」、「戦後強制抑留」、「海外からの引揚げ」の3つの労苦と、関連する主な出来事を紹介している。
ここから始まる。
「兵士」、「抑留」。
そして、「引揚げ」。
昭和6年満州事変、12年日中戦争、16年太平洋戦争、多くの国民が徴兵された。
臨時召集令状、このいわゆる「赤紙」で。
「千人力の日の丸」。
出征する兵士に男が贈った。
「千人針」。
千人針は女が贈ったお守り。
兵隊。
満州事変以降、戦線はアジア、太平洋全域に広がる。
戦いは敗れ、兵士たちの強制抑留が始まる。
日本の軍部の台頭、中国大陸への進出から日中戦争の泥沼化、そして第二次世界大戦の勃発、戦線の拡大、戦局の悪化、そして終戦、連合国による日本占領、復員、抑留、引揚げ。
以下4枚、平和祈念展示資料館のパンフから複写する。
昭和天皇の終戦の詔書(複製)。
日本の戦争責任は、東条英機はじめA級戦犯がとった。
57万5千人が抑留された。
強制抑留。
引揚証明書、帰還証明書、・・・、・・・。
乗船許可証、戦争犯罪に関する無罪証明書。
シベリアの収容所の模型。
57万5千人が移送された。
旧ソ連ウズベキスタンのタシケントにナヴォイ劇場というオペラハウスがある。ずいぶん前であるが行った。出し物も素晴らしかったが、劇場自体も素晴らしいものであった。劇場の壁面に「この建物は日本人が造った」ということが記されていた。
ここに限らず日本人抑留者、旧ソ連のあちこちに今に残る建物を造っている。
手作りのコップやかみそりやメガネなど。
抑留された人たち、手作りで何でも作っている。
上はソ連から支給された手袋。下は手作りの靴下。
死亡の通告。
飢え。
支給された黒パンを均等に切り分けている。皆の視線が切り分ける男の手許に集まる。
三波春夫、吉田正もシベリアへ。
引揚げ。
予防接種証明書、引揚証明書。
このような書面も。
320万人が引揚げてきた。
こういうジオラマが。
こういうもの。
私も昭和21年秋、葫蘆島から博多へ引揚げてきた。5歳、博多に上陸し、リュックを背負い雨の中を収容所へ歩いて行ったことを薄っすらと憶えている。
引揚証明書、援護物資受配票、・・・、死亡届。
博多と佐世保へ引揚げた人が多い。
企画展はちばてつやと森田拳次。
共に昭和14年(1939)生まれ。
満州から引揚げた漫画家たち。
満州への強い思い。
トランプ、まだまだ法廷闘争を続けるらしい。
ブロンドの報道官・マクナニー、ますます人相が悪くなっている。
トランプがごねているのは、大統領でなくなり不逮捕特権がなくなると、多くのことで起訴、収監されることを恐れているからだそう。
何しろ、この10年だか15年の間、トランプが所得税を納めたのは2年のみ。それも年に750数ドル、日本円で8万円ばかりという笑っちゃうようなものであるから。
トランプ、敗北宣言を出してもいいが、それにはオレが大統領を退いた後、訴追されたことごとについて恩赦を与えろ、と言っているようなもの。
とんでもない男であるが、それが通用してしまうのがアメリカという国。厄介な国だ。そして、厄介な男だ。
NYダウ、そして東証の日経平均が急騰している。
日経平均、今日は一時2万5千円を突破した。
ニューヨークでは今日も上昇している。バイデン勝利でさしあたりの不安材料がない模様。
ファイザーの新型コロナに対するワクチン開発ということもあり。
トランプは泣言を言っているが、気にするほどのものではない。