96時間 リベンジ。

その男ブライアン・ミルズ、地上最強の父親だ。娘には滅法甘い。が、元CIA秘密工作員、銃撃戦や格闘術ばかりじゃなく、記憶術や心理分析、その他あらゆる特殊スキルを身につけている。
オイオイ、そんなに何でもかんでも凄くていいのか、そんなに強すぎていいのかよ、と言いたいほど。それほど強くて凄い。
カミさんとは別れているが、一人娘とは時折り会っている。元カミさん、つまり元の女房とも。別れたことは別れたが、心の中ではどうこう、ということらしい。何より、娘を溺愛している。
イスタンブールでの仕事が終わった後、元女房と娘の3人でイスタンブールの旅を楽しもう、と考えていたが、そうはいかなくなる。命を狙われる。相手は、アルバニア系の人身売買組織である。
元女房もろとも拉致され、娘は追われる。

製作・脚本:リュック・ベッソン、監督:オリヴィエ・メガトン。昨年末に記した『コロンビアーナ』と同じ師弟コンビの作である。
前作がある。『96時間』という。私は観ていない。パリで最愛の娘が拉致される。アルバニア系の人身売買組織に。それを取り返す、という作品だそうだ。これは、その続編。
所はイスタンブールである。娘ばかりか元女房も拉致される。自らも捕らわれる。

<迷宮の街 イスタンブール 悲しいほどの父の愛が、再び暴走を始める>。
ヨーロッパ最貧国・アルバニアのティラナから3〜4台のボロ車がイスタンブール目指して走る。前作で、息子をブライアン・ミルズに殺された、人身売買組織のボス・ムラドが率いる大勢の獰猛な面構えの男たちが乗っている。
イスタンブールの街中で、凄まじい銃撃戦、カーチェイス、素手での格闘が繰り広げられる。

イスタンブール、面白い街である。東洋と西洋の交わる所、と言われる。まさにその通り。
ムスリムの国でありながら、最も早く世俗化した国、西洋化を成し遂げた国である。しかし、街中の佇まいは東洋の息吹を色濃く残す。私の好きな街のひとつである。
この右側の写真は、スレイマニエ・モスクのようだ。そして、左側に写っている男がブライアン・ミルズである。リーアム・ニーソンが扮する。
イスタンブールの街中でのカーチェイス、こんなことあり得るか、というもの。グランド・バザールの上から手投げ弾を何発も投げる。「人がいないか確認しろ」とは言っていたが、イスタンブール市民はたまったものじゃないだろう。
そういや、昨年暮れに記した『007 スカイフォール』も、イスタンブールのグランド・バザールの屋根上でのバイクチェイスであった。イスタンブール、アクション映画の舞台として嵌っているのかな。
それにしても、リーアム・ニーソン扮するブライアン・ミルズ、バンバン相手方を殺す。強いの何のってない。強すぎる。
相手はバンバン殺されるが、ブライアンが死ぬことはないんだ。そのこと、約束ごとなんだから。だから、尻は割れている。
でも、そうは言ってもアクション映画、そうであってもいいんじゃないっ。