パリ+リスボン街歩き (62) 下町。

バイシャ地区の東にアルファマと呼ばれる地域がある。テージョ川に沿っているが、すぐ丘というか坂になっている。下町だな、という感じががする町である。

地下鉄を降りテージョ川を背にして歩くと、こういう光景が見える。椰子の木もあり、陽もあたり、南国だ。

お年寄りが歩いている。ごく普通の日常を感じる。すぐ先の方は坂の上。

町の家並み、遠目には美しい。

近づくと、さまざまな営みが為されていることが分かる。動いている。

窓に洗濯物が干されている家がある。

この窓にも。
それぞれの家々、それぞれの生活が営まれているんだ。

このような所がある。
階段があり、その上に細い路地がある。

その路地の窓にも、洗濯物が掛かっている。
ここにも、家から突き出たランプがある。

年季の入った建物だ。しかし、洗濯物が出ているということは、それぞれの区画に人が住んでいるんだ。

アルファマ地区、こういう坂道が多い。

裏通りの路地の坂道の角に、食堂があった。
レストラン AL MAR GEM、海の宝石という名。店の前に、帽子を被り緑色のシャツを着たおじさんが、ボードを持って立っている。

石膏か木で造られたおじさんが持っているボードには、こう書いてある。
”カタプラーナは、二人前からお受けします”、と。カタプラーナってのは、ポルトガルの名物料理らしい。魚介類の鍋料理なんだ。鍋は二人前からってのは、どこの国でも同じなんだ。
まあ、それはそれでいい。下の方のボードには、こう書いてある。
スープと、魚か肉のグリルと、ワインかビール、それにデザートがついて、8.80ユーロ、と。
この魚は、昨日記した干しダラに違いない。それにしても、この大衆的ではあるとは言え、このコースが8.80ユーロとは。如何に下町の食堂とはいえ安すぎる。
食いたかったが、腹時計と合わなかった。それにしても安い。
私たち、リスボンでは似たようなものを食べていた。スープがサラダになったり、最後にカフェが付いたり付かなかったり、というようなことはあるが。それにしても、8.80ユーロとは。
私が泊まっていたホテルは三ツ星ホテル。そこの食堂でも似たようなものを食べた。18.50ユーロであった。街中のレストランでも似たようなものを食べている。15ユーロとか、20ユーロ前後とかといったものだったと思う。ポルトガル、何ごとによらず安いのだ。
それにしても、だ。
1000円もしないコース料理、いつか食べに行かなければならない。
リスボンの下町に。