パリ+リスボン街歩き (77) 丘の町、港町。

リスボンを立つ日、昼前、アルファマ地区の東の端の方へ行った。飛行機が出るのは夕刻、それまでの時間を。地下鉄ブルーラインの終点、サンタ・アポローニア駅へ。

地下鉄車内の路線図。
リスボンの地下鉄、赤、青、黄、緑の4路線しかない。その内、市街地の一番東端に行っている青、ブルーラインの終点がサンタ・アポローニアである。丘の麓であり、テージョ川にも沿っている。

右側の淡いブルーの建物が、サンタ・アポローニアの駅舎である。大きな建物だ。
地下鉄の他、各地への鉄道も乗り入れており、中には、商店街もある。

その駅前。
後ろは、すぐになだらかな丘となる。

すぐ近くには、軍事博物館がある。入口の上は、やけに派手な彫像で飾られている。休館日だった。

左手は軍事博物館、その前はすぐ坂道となる。

丘の方を見てみる。
リスボン、7つの丘の町、と言われている。各地区に、それぞれこのような丘がある。

丘の中央に見えるドームは、サンタ・エングラシア教会のドーム。
ヴァスコ・ダ・ガマなどポルトガルの偉人を祀るパンテオン(霊廟)だそうである。

駅を挟み、丘と反対側、テージョ川の方を見る。先の方に船が留っている。

近寄ると、大きな船である。外洋を航海する客船じゃないのか。
テージョ川に沿うリスボン、港町でもある。

丘の方へ戻ると、車体にハデなペイントを施した、似たような車が何台も止まっていた。
ボディーに大きく”CAIS SODRE”、と書いてある。”ソドレの波止場”という意である。”ソドレの波止場”は、テージョ川に沿った少し先にある。
しかし、屋根に乗っかっている”Carta por Apenas 59€ Mes”、という言葉の意味するところが解らない。前半は、”手紙のみによって”、ということのようだが、その後の59ユーロが何か、その後も解らない。全くのカンであるが、これらの車、宝くじの宣伝車ではないのかな。
当て外れかもしれないが、ド派手な色づかいからみて。

その前のカフェの道に広げたテーブルで、カフェを飲んだ。
前の”カフェ”は、コーヒー屋。後ろの”カフェ”は、エスプレッソ・コーヒーのことである。
パリのカフェのカフェは、2から4ユーロであったが、リスボンのカフェのカフェは、概ね1.5ユーロから2ユーロであった。所によっては、1ユーロといったカフェもあった。
リスボンの物価、ずいぶん安い。パリよりは4〜5割安い感じである。
ついでに言えば、ビールは、パリではハイネッケンの小瓶が、4ユーロ程度。リスボンでは、よく飲まれているスーパー・ボックが2〜4ユーロ。ワインだと、パリでは6〜10ユーロ。リスボンでは5〜6ユーロであった。
いや、いずれも、私が飯を食っていたごく普通の街中の食堂での話ですよ。星があるようなレストランには入っていないので、そこでの値段は知りませんが。
さらに、ついでに言えば、これらにかかる消費税、向こうでは付加価値税と言っているが、それは幾らか。
フランスでは、概ね19.6%。一部低減税率があり、それは7%である。ポルトガルではどうか。ポルトガルの付加価値税は、23%である。いずれも内税、価格に含まれている。それ故か、高い税率をさほど意識しない。
翻って日本の現行の消費税率は5%。
野田佳彦、社会保障と税の一体改革として、2014年8月からは8%、2015年10月からは10%を断行した。自民党と公明党を抱きこんで。
そうせざるを得ない。どう考えても。反対する連中の気がしれない。今、ボコボコに叩かれている野田佳彦、誰しもが嫌がる税率アップを成し遂げた。私は、買う。

それはそれとして、そのカフェの並びに、この店があった。
イカリのマークが付いている。
そこには、”GARRAIO”と書いてある。その下には、創業、1860年とも。
この店、船舶の装備、備品や、航海の機器類を扱っている店なんだ。1860年から150年もの間。ウェブサイトを覗いてみると、ガライオ兄弟によって創業されたこの店、ずっとソドレの波止場の前で、とある。ソドレの波止場、テージョ川に沿った少し先である。

ショーウインドーから中を覗いてみる。
外の石畳の敷石が写りこんでいるので分かりづらいが、ウインドーの中には、時計のようなものや、それに似たような機器類や、舵のようなものや、帆船の模型のようなものや、その他船舶や海に関するものが並んでいる模様。
リスボン、丘の町であり、港町でもある。