パリ+リスボン街歩き (68) エレベーター。

坂の町・リスボン、そこそこの坂なら市電でも上り下りするが、垂直の移動はとても無理。そこで登場するのはエレベーター。リスボンへ着いた日の夜、夕飯を食べに行ったロシオの近辺で見たエレベーター、乗りに行った。

夜には灯がついていたエレベーター、これである。サンタ・ジェスタのエレベーター。

1902年にできたそうだ。高さは45メートル。
通天閣でも100メートル、スカイツリーはエレベーターで上がれる所でも350メートルだったか。そういうものとの比較は意味がない。
サンタ・ジェスタのエレベーター、実用性に富んでいる。坂道を垂直に移動できるのだから。それより何より、趣がある。
街中にこういうものがあるんだもの。

エレベーターを降りて、下を見る。
45メートルの高さからだと、人はこう見える。

南の方を見る。
中央の奥に、コメルシオ広場へ通じる勝利のアーチが見える。その先にはテージョ川。

北の方を見る。
ロシオ広場の円柱が見える。その上には、初代ブラジル国王となったポルトガル王のブロンズ像。

左手の方に、カテドラルが見える。
その先は、川幅がとても広くなっているテージョ川。

エレベーターを降り、少し歩いた所にこの人がいた。
小さな台の上には、何かどうでもいいようなものがのっている。一旦は通り過ぎたが、何故か気になり戻ってきた。
で、この人に聞いた。一体これは何なのですか、と。
この女性が言うには、ホームレスの人たちを支援しているのだ、と言う。台の上のものは、どれでも一つ5ユーロ。5ユーロで、ホームレス7食分の食事が賄える、と言う。そうか。私も市電のミニチュアみたいな小さなものを求めた。5ユーロ、ホームレスの人たち7食分。
時折り、上野の東博の前でも、ホームレスの人たちへの炊き出しの長い行列を見る。何処も同じだ。
また、その時には、解らなかったが、この台に書かれているポルトガル語の言葉、今、辞書を引くと、「無関心にしないで」、ということなんだ。そうだよな。
その女性に、どこの国の人が多いですか、と聞いた。ポルトガル人が最も多いが、ブラジル人も多いと言う。なるほど、それは解かる。次いでは、ヨーロッパ各国の人やアメリカ人、と言う。
中国人や韓国人はどうか、と聞いた。時折り来るが、日本人の方が多い、と言っていた。
何やら、ホーッ、という感じ。

傍に渡り廊下のような道がある。そこから見た光景。

下の方を見ると・・・・・

ちょっとした遺跡といった感じも。

市電の線路が途切れている。

リスボンの街中、このように見える。