おかしいぞ、チーム・ジャパン。

金は確実だろうとか、限りなく金に近い、と言われていた日本選手、ことごとく、どこかおかしい。金が取れない。
柔道女子、昨夜の48キロ級の福見友子、今夜の52キロ級の中村美里、金の確率7〜8割と言われていた。それが、金どころか銅にも至らない。どうしたことだ。
男の方は、昨夜の60キロ級の平岡拓晃が銀、今夜の海老沢匡が銅。当人たちは、金が取れなかったことを悔やんでいるが、よくぞ取ったとも言える。力はある。でもここ一番、最後に勝てない。
ここという時の、意志の強さがどれほどのものか、という問題ではないのかな。男も女も。
しかし、柔道ばかりじゃない。
最大のライバル、ダーレ・オーエンの急死により、100も200も3連覇はほぼ間違いなかろう、と思われていた北島康介、今日の100平の準決勝、6位通過、危うく決勝へ進めないところであった。どうした北島。
さらに、ガチガチの本命、金メダルを幾つ取るか、4つか5つか、と言われていた体操の内村航平、今日の予選で大幅に出遅れた。
鉄棒で落下するは、鞍馬でも落ちるは、と誰しもが考えられない状態。一体全体どうしちゃったんだろう。
ガチガチの大本命がこのような状態にある。今、チーム・ジャパン、どこかおかしい。

どうしちゃたんだろう。
福見友子、準決勝で敗れ、3位決定戦でも負けた。
試合後インタビューを受けた福見友子、今にも涙がこぼれそうな顔。暫く声が出ず。その後、縛り出すような声で、「これがオリンピックなんだと・・・」、と。最後に、「金を取りたかった」、と。その思い、よく解る。
福見友子、前回の北京五輪では、最終選考会で谷亮子に勝ちながら、代表には選ばれなかった。選ばれたのは、谷亮子だった。今回もギリギリで代表の座を掴み取った。しかし、オリンピックの場では勝てなかった。おそらく、福見友子の柔道家としてのキャリアは、ここで終わるだろう。
残念ではあるが、致し方ない。

柔道で、日本選手が銀メダルを取ったのが、ニュース速報で流れるのも、片腹痛い話である。
でも、それが現実。ここに映っているのは、金を取ったロシアの選手。

青い柔道着が平岡拓晃、白い柔道着のロシアの選手に敗れた。
今日の柔道、女子52キロ級の中村美里は、初戦で北朝鮮の選手に負けた。くじ運も悪かった。その北朝鮮の選手には、北京五輪の時にも負けている。北朝鮮のその選手は、優勝した。安定した力と技を持っていた。中村美里は、銅メダルにからむこともできなかった。誰しもが押す本命だったのだが。

今日の柔道、男子66キロ級の準々決勝。
日本の海老沢匡と韓国の選手の対戦、時間内では決着がつかず、旗判定となる。白が日本、青が韓国である。最初、旗判定、青が3本揚がった。韓国の選手の勝ちである。ところが、審判の3人、ジュリーに呼ばれ、旗判定のやり直しとなる。
再度の旗判定、今度は白が3本。海老沢匡の勝ちとなる。とても珍しいことである。日本側は喜び、韓国側はやりきれない思いであったろう。

準決勝へ進んだ海老沢匡、決勝へは進めなかった。
しかし、3位決定戦では一転、豪快な浮腰で一本勝ち。3位となる。

それより、金ではないが、昨夜の三宅宏実が凄かった。重量挙げ女子48キロ級で銀メダルを取った。日本重量挙げ陣として久しぶりのメダルである。また、女子の重量挙げでは、初のメダル。
三宅宏実、15の時から父親の教えを受けてきた。その父親は、三宅義行、メキシコ五輪の重量挙げバンタム級の銅メダリスト。15の時から12年、親子鷹で技量を磨いてきた。
試技に向かう三宅宏実の背中を、父親でありコーチである三宅義行、バンと叩いて送り出す。

昨夜の三宅宏実、自己新、日本新を連発する。

スナッチ87キロ、クリーン・アンド・ジャーク110キロ、トータル197キロ、今一歩で200キロという大記録。銀メダルを獲得した。
「お父さんを越えましたね」、という記者の問いかけに、父親の三宅義行、「娘は、とうの昔に私を越えていました」、と応えていた。
三宅宏実、親孝行をした。
三宅宏実のことについては明るいが、その他のことについては、どうも雲がかかっている。今のところのロンドン五輪、スッキリとしない滑り出しである。