勝つ気、あるのか。

未だ金メダル0の柔道男子、最後の望みを100キロ超級の上川大樹に託すなんて、上川大樹に気の毒だ。
このクラスの代表、実は、こいつを出せば、という選手がいなかった。最終的に上川でいこうか、となった。でも、上川大樹、柔道の日本選手の中で最も期待されていなかった選手である。上川大樹、2回戦で敗れた。仕方ない。
最期の砦は、昨日の100キロ級の穴井隆将であった。
その穴井隆将が2回戦で敗れた時、日本の柔道男子の金メダル0は決まっていた。
それにしても、穴井隆将、巴投げから寝技に引き込まれた。足を絡んでいたが、何とすぐに引き抜かれ、横四方固めに持っていかれた。押さえ込みの一本負け。
しかし、よく考えてみる。昨日から何度も考えた。穴井隆将がやすやすと横四方固めに持っていかれたこと、を。どうも腑に落ちないんだ。
一流ランクの選手が、寝技で押さえ込まれ足を絡んで防ぐ、ということはしばしば見られる。しかし、絡んだ足を引き抜き、押さえ込みに持っていくことは、なかなか難しい。足を引き抜くこと、そうあることではない。しかし、昨日の穴井隆将は、絡んだ足をやすやすと引き抜かれ、横四方に押さえ込まれてしまった。一本を取られた。
穴井隆将ほどの選手が、何故これほどやすやすと負けるのか。何が何でも勝つ、という気がないのではないか。このこと、何も穴井隆将ひとりに限らない。
今、8月の3日から4日に変わる前後、日本は、そこそこのメダルを獲得している。
金2、銀8、銅11、合計21のメダルを取っている。その総数では、中国、アメリカに次いで3位である。でも、金メダルは、わずか2つのみ。
今現在の金メダル獲得上位3か国は、中国が20、アメリカが18、次いで韓国が8、である。このベスト3、いずれも総メダル数の約半分が金メダルである。日本はどうか。
日本の金メダルは、獲得総メダルの1割に過ぎない。タイマン勝負に弱い。
今日、柔道男子100キロ超級の上川大樹は早々と姿を消したが、女子78キロ級の杉本美香は決勝まで進んだ。杉本美香とキューバの選手との決勝戦、十分勝つことができる、と思われたが、旗判定で敗れた。杉本美香ばかりじゃない。
柔道の男女、4人が決勝まで進んだ。しかし、勝ったのは、女子57キロ級の松本薫のみ。あと3人は、十分勝つことができたのに、勝てなかった。何かが欠けている。
何が何でも勝つ、という気合、気概が欠けている。
今の日本チームには、テクニカルのコーチばかりじゃなく、勝ちにいける選手を育てるメンタル面のコーチが必要であろう。特に、柔道に於いては。