お待たせ、女子レスリング。

昨日遅くのサッカー男子、出だし豪快なミドルシュートを決めた時には、こりゃ勝つな、と思った。同点弾を決められたのは仕方ない。しかし、つい犯した、というミスから追加点を取られては、どうしようもなかった。
3位決定戦の相手は、ブラジルに敗れた韓国。この日韓戦、ただの3位決定戦ではない。
後世、時代を窺う時に思い出されるであろう、大一番となる。
その大一番、心臓の悪い人は見ない方がいいが、そのような人でも、まあ、ゆったりとご覧ください、という競技が始まった。レスリング、フリースタイル女子である。待っていました、レスリングの女子。
ここまで、日本はメダルを多く取っている。メダル総数29個は、中国、アメリカ、イギリス、ロシア、ドイツに次ぐ。大したものである。しかし、金メダルは2つしかない。ここが残念。
柔道で4〜5個、体操で2〜3個、競泳で2〜3個、目論見が外れた。
残るのが、今日と明日のレスリング女子。金2つは織り込んでいるが、3つもある。
今日のフリースタイルには、48キロ級に小原日登美、63キロキロ級に伊調馨が出る。

48キロ級の小原日登美、準決勝で前回の北京五輪の金メダリスト・カナダの選手を破る。

小原日登美、本来51キロ級の選手である。このクラスの世界選手権を6度制している、という。
しかし、オリンピックには51キロ級はない。オリンピックに出るためには、上の55キロ級に上げるか、下の48キロ級に下げるか、となる。しかし、55キロ級には、絶対の存在・吉田紗保里がいる。可能性は、ない。
小原日登美、48キロ級に下げ、最初で最後のオリンピックに挑んでいる。小原日登美、31歳なんだ。
決勝の相手は、アゼルバイジャンの選手。年は24歳。準決勝までの闘いぶりを見ていると、とても素早い動きをする選手である。
小原日登美の金メダルの確率、五分五分か。いや、アゼルバイジャンの選手、強いんだ。
アゼルバイジャン、カフカスの国である。カフカス近辺の国々、今まで、周辺の大国から痛めつけられてきた。だから、闘いには強い。特に、素手で闘う格闘技には。
小原日登美、最後の闘いを、金で飾ってもらいたい。

63キロ級、伊調馨の準決勝の相手は、モンゴルの選手であった。
このモンゴルの選手、準々決勝では迫力ある力技を繰りだしていた。なかなか強い。しかし、伊調馨、力強いモンゴルの選手を破った。
決勝では、ロシアの選手を破った中国の選手と当たる。この中国の選手も、とても強い。伊調馨と言えども、気は抜けない。

伊調馨、アテネ五輪、北京五輪の金メダリストである。ロンドン五輪に、3連覇をかけている。
その可能性、とても高い。
レスリングの女子と言えば、吉田沙保里である。負けない。119連勝なんて記録もある。
しかし、伊調馨の連勝記録、そんなものじゃないそうだ。
2007年のアジア選手権での不戦敗はあるが、闘った試合の連勝は、153連勝とか、ということ。闘った試合では、2003年3月から、負けていない、ということだ。10年近くもの間、負けないなんて。
今日の伊調馨、飛びぬけて強い、とも思えないのだが、勝ち進む。
伊調馨、恐らく、金メダルを取るであろう。小原日登美も、おそらく。
待ちに待ったレスリング女子である。