パリ+リスボン街歩き  (50) 看板(続き)。

地下鉄やRERの駅、また、街中で見かける看板、あと少し。

駅の看板としては大きなもの。
あまりパリらしくない絵柄だが、循環してるっていうことか、「我々の行動が都市を形づくる」、ということは。

真ん中に大きくドーン、と”1789”。あの革命だ。そして下には、「バスティーユの恋人たち」、と。芝居の看板だ。

芝居と言えば、マルグリット・デュラスの「ヒロシマ・モナムール」の看板があった。
半世紀少し前、アラン・レネが映画化した。日本でのタイトルは、「二十四時間の情事」。主演の二人は、エマニュエル・リヴァと岡田英次。岡田英次、その当時、木村功と並ぶ知性派二枚目であった。
その芝居が、営々と受け継がれているんだな。今でも、演じられているということは。

このオペラ座の近くにある広告塔にも。下にあるのは、「ヒロシマ・モナムール」の看板だ。
マルグリット・デュラスの作品、今でも人気があるもの、と思われる。
なお、アラン・レネの映画で岡田英次が演じた役は、”ひろし・おおた”という役者が演じている。まったく知らない名であるが、向こうに長くいる男であろう。

MANGOの看板をよく見かける。
MANGO、手頃な価格帯の商品を扱っている。いわば、ファスト・フッションだ。日本にもあるそうだが、ヨーロッパにはもちろん多い。
この服は、19.99ユーロ。ま、2000円前後というところ。

この服なら、12.99ユーロ。千数百円。だからMANGO、世界中に広がっているらしい。ユニクロと同じ。
それよりも、この写真、夜半のバス停に貼ってあるMANGOのポスターである。それが、横のガラスに写りこんでいる。面白い。

ヴァカンスへのお誘いだ。”おーい、キューバ”、という格安旅行の看板だ。
6泊8日で993ユーロ。10万円程度。フランスからキューバへ、安いんじゃないか。こちらは、パリのHISかな。
衣料にしろ旅行にしろ、世界中どこでも格安商品が席捲している。世界中、経済規模が縮小してるんだから。
自らを省みても、そう。私も、ユニクロのシャツを着て、格安チケットでパリへ行っている。

新聞の広告看板。
大統領選の結果が出る前の頃であるが、サルコジの顔つき、今ひとつ冴えない。

どこの駅であったか、地下鉄のホームにこういう看板が掛かっていた。
フランスという国を代表する、また、国家から栄誉を与えられた詩人、作家、哲学者、芸術家、科学者のサインがズラッと並んでいる。
モリエールがいる、ラシーヌがいる、パスカルがいる、ヴォルテール、ディドロ、バルザック、ヴィクトル・ユゴー、マリー・キュリー、・・・・・その他大勢のフランスが誇る人たちのサインが並べられている。15世紀のフランソワⅠ世や16世紀のアンリⅣ世のサインなんてものまである。
でも、何のための看板なのだろう。
きっと、”オレたちの国は、こんなに凄い人たちを輩出しているんだぞ”、ということを示したいのではないかな。その感覚、中国とよく似ている。
中国にも、詩人や作家、哲学者、芸術家、その他の傑出した人、いっぱいいる。彼らは、それを誇りにする。フランス人と同じだ。その感覚、単純といえば単純で、可愛いな、と思うこともある。

写っている建物は、向かいの建物なんだ。”チベタン”というこの店のガラスに写りこんでいるんだ。
”チベタン”、名前の通り、仏教美術、それに、アフリカの美術品を扱う骨董屋。

ギャラリー・ラファイエットの看板。マドモワゼル・エッフェルだ。バスの後ろの方に描かれている。

ギャラリー・ラファイエットでジャン・ポール・ガルティエの「メイド・イン・モード」という展示を行なう、という。
実は、身体に青い塗料を塗っているこの男、ジャン・ポール・ガルティエその人のようだ。青い塗料をジャン・ポール・ガルティエに塗った男は誰か。ジャン・ポール・グードである。
ジャン・ポール・グード、ギャラリー・ラファイエットやシャネルの広告を担う恐るべきデザイナー。その作品は、凄まじい。

こういう小さな紙の看板もあった。
ベートーベン、バッハ、バッハ、バルバラ、ゴスペル、そして、下には、モーツァルト。クラシックからゴスペルまで、さまざまな音楽会が催されている。
そういうひとつを、明日。