パリ+リスボン街歩き  (23) クリュニー美術館。

町中のオアシスといった美術館が、クリュニー美術館。またの名は、国立中世美術館。
1〜3世紀のローマ時代の浴場の跡。15世紀末、そこに修道会の館が建てられた。1843年、中世の美術品を展示する美術館となった。
美術館に入る時にもらったリーフレットによれば、フランスの中世、5世紀までのローマ時代、5世紀から10世紀までの早期中世(変な言葉だが何と言うのか、The early middle ages)、11世紀から12世紀にかけてのロマネスク時代、そして、12世紀半ばから15世紀にかけてのゴシック時代、に分けられるそうだ。
それらの時代の美術品、もちろん宗教美術品が展示されている。1〜3世紀の浴場跡の遺跡と15世紀の建物の中に。好きな美術館のひとつである。

鉄の柵の向こうはクリュニー。1〜3世紀のローマ時代の浴場の遺跡。

クリュニーの入口。さりげなくって、いい。

塀の中に入ると、このようなたたずまいの建物。
正面の小さな扉が、美術館の入口。

反対側は、このよう。
クリュニー、1〜3世紀のローマ時代の浴場跡と、15世紀のゴシック期の建物と、19〜20世紀の建物で構成されている。これは、おそらく15世紀のゴシックの建物であろう。

1階、下の方へ下りて行く。ここいら、1〜3世紀のローマ時代の浴場跡。

ステンドグラスが。

明るい部屋がある。小さな舞台の上では、何やら古い楽器を持った人が3人いる。ヴァイオリンの先祖のようなものや、小さなハープのようなものや。
その後ろには、あちこちが欠けた頭部の像などがある。ここも、1〜3世紀のローマ時代の浴場跡である。
”ノートルダム・ルーム”と呼ばれているそうだ。
クリュニーのリーフレットによれば、ここには21の頭部像があるそうだ。この写真の後ろにも見える像。1220年から1230年頃のユダの王のギャラリーにあったオリジナルも含まれているが、これらはフランス革命の時破壊された、という。それが。1977年に発見され、ここに展示された、とのこと。何でもないようだが、古いんだ。

この部屋には、彫像や柱頭や象牙細工などがある。中世のもの。

その部屋の隅の方で、何やら見たこともない楽器を直している人がいた。
聞いたら、15世紀ごろ、ペルシャの方から伝わった楽器だそうだ。弦楽器。

こういうところを通り、

広いところに出る。1〜3世紀のローマ時代の浴場の跡。

その天井は高い。不思議な色をしている。

また、このようなところを通り(このようなところ、すべて1〜3世紀のローマ時代の浴場跡なんです)、”ノートルダム・ルーム”に戻る。

先ほどの人も加わり、音合わせをしていた。2000年近く前の建造物の中で。あちこち毀されてはいるが、中世の彫像に囲まれて。