春か、東博の庭。

4〜5日前、内視鏡検査の後、東博へ行き休憩した。
少しキツイなとか、ちょっと休みたいな、という時、コーヒー屋に入ることもあるが、東博で休むこともある。屋外のベンチや館内のソファでひと休みする。

東博構内、来週から始まる”ボストン美術館から持ってくる日本美術”展の予告が立っている。
特別展のないウィークデーの昼間、来ている人は少ない。本館に入ると、オッ、春の庭園公開がもうなされている。本館裏の庭園、10日から公開されている。
そんな時季になったのか。
たしかに、冬ではない。いつの間にか、春である。桜花の季節になったのか。

庭園に入った。さすがに、まだ桜花が咲いているワケはない。
これは、東博庭園内の桜木の中でも眼につく桜木のひとつ。池のほとり、本館のすぐ裏にあるシダレザクラ。正式な名称は、「エドヒガンのシダレザクラ」。それよりも、「江戸彼岸の枝垂れ桜」、と漢字で書く方がピタリとくる桜木。
花色は、淡いピンク。この枝垂れぐあいを見ただけでも、それが偲ばれる。半月ぐらい後には、見事な枝垂れ桜となる。

その近くにあるオオシマザクラ・大島桜。
この桜木は、枝を横の方へ伸ばしている。私が見ている限り、ずっとそう。
花色は、上品な白っぽい色。やはり、半月後あたり、見ごろとなるであろう。

庭園を出た後、本館前のヨシノシダレ・吉野枝垂れだ。
半球形、いわば、丹精こめた盆栽だ。この桜木、東博を代表する桜木のひとつ。4月初めには、優美な姿を見せているに違いない。

4〜5日前、東博で目についた花は、これのみ。紅梅である。
日本人にとり、梅と桜は、異なる。
やはり、桜だ。その季節が近づいた。