日常。

日常というか、平常というか、普段の生活に戻る。
今日は、通学日。授業を受けた後、喫煙場所へ。少し先を見ると、掃除をする人がいる。

ゴミも落ち葉も、さほど落ちてはいない。すぐに、私の立っているところまで来る。
「もうすぐ、落ち葉がいっぱい落ちるんです」、と言う。さらに、「このケヤキ、紅葉するんですが、今年は暑かったので、まだ青い」、と言い、「ケヤキの紅葉は、きれいなものもあるんだが、この木は、あまりきれいな紅葉ではないんですよ」、とも言う。
「そうですか。私もここ数年は見ているはずですが、そこまでは気がつかなかったなー」、と応える。
吸い殻を捨てるため、吸い殻入れのところへ戻ると、カマキリがのそのそと歩いている。

こいつだ。
カマキリ、夏の虫かと思っていた。今年は暑かったのでまだいるのか、と思ったが、どうも常の年でも、まだカマキリが歩きまわる時季ではあるらしい。
横にいた学生が、「2〜3日前にも、カマキリがいた」、と話している。「そのカマキリ、このカマキリと同じヤツ?」、と聞いた。「それは、ワカンナイですよ」、とその学生、言った。
そりゃそうだよな。いかに若い学生だとはいえ、2〜3日前に見たカマキリと、今、吸い殻入れの側を歩いているカマキリが、同じヤツかどうかなんて。
あとで、”ヘンなジイさん”という顔をされてもおかしくなかったな、と思ったが、若い学生、そういうそぶりもなかった。だから、私、この学校が好き。
私の、ごくあたりまえの日常。カマキリも、ごく普通のヤツだったし。