桜咲く。

半月ほど前から、桜が咲いている。
私の住むアパートのベランダ、碌なものはないが、小さな桜がひと株ある。朱泥の鉢に植わったもので、高さは、7〜80cm。ひょろっとした細い幹から、なお細い枝がいくらか出ている。この春、カミさんが買ってきたもの。その時にも咲いた。
その桜が、今また咲いている。たいしたものではないが。

10日ほど前の様子。
桜には、”十月桜”という秋に咲く種もあるそうだが、これは、そんな大層なものではない。
干乾びたような幹と枝。葉は、上の方に少しついているのみ。それは、まだいいとしても、なんじゃこの花、という花だ。しかし、花は花。桜の花だ。狂い咲きの類いである。
先日、動植物に詳しいHに聞くと、こういうことはよくある、と言っていた。さして珍しいことではないらしい。

2〜3日前の模様。
この夏は暑かったので、ベランダのコンクリが熱くなり、その影響があったのか、とも思われる。また、桜の花芽は夏にできるそうだから、葉のないひょろっとした木、そういうことで咲いたのかもしれない。たいした花ではないにしろ。

この木、”卑弥呼”という札がついていたそうだ。
園芸名であるから、ヒミコであろうと、阿国であろうと、千代女であろうと、小百合であろう(いや、桜にこれはないか)と、作出者が勝手に名前をつけることができる。好きな名前を。
しかし、この花、国のトップ・権力者の名前をつけられているにしては、こうして見ると、とても優美。