日本の感覚、まだ正常。

3日前と2日前に、大きな事件があった。
3日前の22日には、ノルウェーでの爆弾テロ、乱射事件。100人近くの人が殺された。2日前の23日には、中国での高速鉄道脱線事故。死傷者多数。
ノルウェーに限らず北欧諸国は、とても安定した国、経済力も強く、生活程度も高い。異文化にも寛容だ。
人種差別意識の少ない国々として知られる。黒人とのカップルが多いことでも知られた。少し古いが、サミー・デイヴィスJr.のカミさんも、前の国連事務総長・コフィー・アナンのカミさんも北欧の人。
その北欧、ノルウェーでのテロ、乱射事件、ムスリムの移民の増大に寛容な政権への反発だという。100人近くを殺した犯人は、極右のキリスト教原理主義者らしい。文明の対立と言える。イスラム、異教徒、異文明への不寛容がまねいたもの、と言える。
島国である日本では考えられないようなことが、異国では起こることがある。この事件もそうであろう。イスラムへの怖れ。
日本人は、ヨーロッパは洗練されている、という印象を持つ人が多い。たしかに、そうは言える。しかし、必ずしも、そうとばかりではない。異文明、異人種に対しては、潜在的に受け入れない人もいること、事実である。私も、そういうことに行きあった。
3年半前、1か月余、ヨーロッパの幾つかの国を、鉄道を使って旅していた。ある日、パリからブリュッセルへの高速鉄道・タリスの車中で、3人組のオマワリに不当な扱いを受けた。
私のバッグの中の物ををシートにぶちまけ、ウエストポーチの中をすべて掴み出した。口調は抑えた物言いではあったが、その振舞いは無礼であった。私は、抗議し、彼らをなじった。やはり、レイシズムなんだな、と思った。しかし、私が乗っていた車両でそのような扱いを受けたのは、私と中東系の男の二人だけ。
9.11の後、ロンドンやマドリッドでも、イスラム過激派のテロがあった。ヨーロッパの国々、イスラム過激派に対しピリピリしていた。あのオマワリたち、どう見ても、モンゴリアン以外の何者でもない私にも、異教徒、異文明の烙印をおしたのであろう。
ヨーロッパ、洗練された国々ではあるが、不寛容な根も持つことは、たしか。
日本国内だけにいると、そのこと、なかなか解からない。
中国での高速鉄道の脱線事故、それ自体は、そうかなと思ったが、事故原因の究明も為されない前に、運行を再開したのには驚いた。しかも、脱線し下に落ちた車両を埋めちゃった。無様な車両の姿を見せたくない、ということだろうが、これも、日本の感覚とはまるで異なる。
そんなことしてどうするの、と思わざるを得ない。何考えてるの、と。
今年の日本、大震災に襲われた。原発事故も起こった。多くの問題点が、あぶり出されている。
だがしかし、海外の国々と較べると、その感覚、まだ正常である。