命の十字路。

何日か前から伝わっていたが、日本時間今日夕刻トルコ大統領・エルドアン、イスタンブールでのジャマル・カショギ殺害に関する声明を発表した。
イスタンブールのサウジ総領事館での殴り合いでの偶発的事故での死、というサウジの発表を正面から否定した。

明らかに計画的な殺人だ、と。

しかし、ムハンマド皇太子の関与に関しては触れなかった。
なぜか。

こうも言っているのに。
トルコのエルドアン、あくまでも手の内を明かさない。
武士の情けか。いや、そうではあるまい。サウジの首を真綿で締めあげているに違いない。
カショギの命を奪った黒幕の命を。
イスタンブール、ボスポラス海峡を挟んだ文明の十字路。アジアとヨーロッパが交わる十字路である。
イスタンブールには2度滞在したことがある。だから、それと共にアラブ、イスラムの世界とユウラシア世界との十字路でもある、ということも理解できる。
それ故、命の十字路ともなる。ジャマル・カショギ、然りである。

サウジのリヤドでは、「砂漠のダボス会議」が今日から始まった。

どういうバックグラウンドを持つ女性かは知らないが、冒頭、司会の女性はこう言っている。
「ジャマル・カショギ氏に哀悼の意を捧げます」、と。
なんとうー。
孫正義、リヤドへは飛んだ。が、予定されていた講演は取りやめた。孫正義流のバランスであろう。

ところで、トランプの言うこと、その日によってコロッと変わるが、今日はこう語っている。

ついでこうも。
トランプ、命と金を天秤にかけている。
ドナルド・トランプ、単純な男であるが、ナンと言うかってヤツでもある。
イスタンブール、「命の交差する十字路で」こう思う。


今日夜遅く、官房長官・菅義偉、こういうことを発表した。
3年前の2015年6月、イスタンブールからシリアに入った後シリア反政府組織・ヌスラ戦線に囚われていた安田純平がどうも解放されたようだ、と。
で、今、トルコの保護下にある、と。
安田純平、その命はないものと思っていた。
何時だったか、彼・安田純平の命乞いの映像には、やめてくれって思った。母や肉親は別、と解っていながらも。
それにつけてもトルコ、就中イスタンブール、文明の十字路であり、命の十字路でもある。